藤枝梅安(1765?~)
鍼(はり)医者で仕掛人。
さいとう・たかをが描いた漫画(劇画)版『仕掛人藤枝梅安』の「梅安荒梅雨」で、仲間の武士・小杉十五郎が松平定信の用心棒になっており、これは1789年のできごとである。
医者で殺し屋というのは多く、必殺シリーズでも念仏の鉄、やいと(灸)屋又右衛門、高野長英、西順之助、鳴滝忍などがいる。『恐怖の大仕事』と『仕事人大集合』でフランキー堺が演じた仕事人も医者のようだった。
ネットの資料によると、寛政11年(西暦1799年)で35歳とあるので、これが数え年とすると、満年齢で34歳だから
1765年生まれか。

個人的にはフジテレビ版『仕掛人藤枝梅安』で梅安を知った。梅安役は小林桂樹だったと想う。当時、朝日放送(関東ではテレビ朝日系列)で『新必殺仕事人』本放送と『必殺仕置屋稼業』の再放送もあった。
「荒野の果てに」は『仕業人』再放送(緒形拳ゲスト出演の回)、『仕舞人』本放送、『新からくり人』再放送でなじんで、これが朝日放送と松竹の必殺シリーズのテーマ曲だとわかり、それから緒形拳主演の『必殺仕掛人』再放送で場面に「荒野の果てに」が流れているのを聴き、必殺シリーズの第1作が『仕掛人』だと理解した。
西暦2010年、藤田まことが没した年に小林桂樹もこの世を去った。

念仏の鉄
中村主水とは佐渡金山にいたころからの知り合い。
按摩、骨接ぎを生業(なりわい)とする破戒僧。破戒僧という意味では『仕置屋』の印玄にも似ている。
棺桶の錠、おきん、半次とともに、主水が裏稼業を始めたころからの仲間。
一度、鉄と錠の人相書きが出回って、処刑されかかった半次を助けたあと、鉄、錠、おきん、半次は江戸を去った。
鉄はのちに江戸に戻って別の仲間・鋳掛屋(いかけや)のの己代松(みよまつ)、正八、おていと組み、仕置人稼業を再開。寅の会で主水の名が呼ばれたのを切っ掛けに主水と再会。これは文化・文政時代だった。
最後は敵と戦って死んだ。

棺桶の錠
琉球出身の棺桶職人で、空手と手槍を使う。文化・文政より前から天保時代まで。
大坂で勇次を助け、長崎で主水たちの仕事に協力し、オランダ領だったインドネシアのバタビアへ行くと行っていたが、日本に戻った形跡がある。
アヘン戦争の直後、香港へ向かう途中の仕事人一行に加勢したようだが、錠は香港には行かなかったようだ。

糸井貢(?~1854)
高野長英の弟子である蘭学者。三味線も弾き、武家のむすめに絵を教えるなど、多才であった。
1853年から54年までの2度の黒船来航の間に中村主水(当時、北町奉行同心)、石屋の大吉と仕留人(しとめにん)グループを結成。
最終的に不本意ながら開国派の幕臣を仕留めることになるが、「私を殺すと日本の夜明けが遅れるぞ」という幕臣の声に貢の手が止まり、返り討ちに遭ってしまう。
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