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鳥居耀蔵と遠山金四郎『渡し人』『意外伝』、鳥居耀蔵と蘭学者、仕事人、鳥居失脚、高野長英脱獄


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 日本での蘭学は吉宗が洋書輸入禁止をゆるめ、青木昆陽を起用したあたりから盛んになり、平賀源内と知り合いだったらしい杉田玄白、前野良澤(→良沢)などが有名。

 シーボルト来日から幕末まで、蘭学者と仕事人の関係をまとめると、こうなる。『必殺!裏稼業の凄い奴ら』でも詳しく描かれていた。

 シーボルトと高橋景保を罠にはめた伊勢屋、室田静軒の一派は主水グループによって倒された。
 シーボルトの弟子だった蘭学者・高野長英、小関三英、渡辺崋山は鳥居耀蔵から弾圧されるが、蘭学者の恨みを晴らそうと、三味線弾きを長とする「からくり人」の一員が鳥居耀蔵の命を狙う。これは未遂に終わるものの、その「からくり人」の生き残りだった天平が主水に接近。これは鳥居と直接には関係ない仕事だった。

 ただ、鳥居が出世のために実施した工作(「ロシアと密貿易」疑惑の捏造らしい)で元津軽藩士(推測)の恨みを買う。
 その元津軽藩士は江戸に入って三味線弾きとなり、鳥居の着任で、また弾圧される。高野長英は別の「新からくり人」グループに参加し、その一座も鳥居の勧めた天保の改革の被害者。
 おまけに、鳥居の前任者だった元南町奉行の矢部も鳥居の策略で追放されたらしく、闇の会の元締めに鳥居暗殺の仕事を依頼した。闇の会は壊滅寸前で、元締めが直接、主水に依頼。
主水と三味線弾きが協力して鳥居を暗殺し、これにより鳥居は正史の上で「失脚」したことになった。
黒船来航後、主水はかつて長英の弟子だった三味線屋兼蘭学者・糸井貢(シーボルトから見ると孫弟子)と組む。

 また、鳥居と直接、関係はないが、『はぐれ医者・お命預かります!』の相良淳道と『世直し順庵!人情剣』の河合順庵はシーボルトから医学を学んだらしく、いずれも腕のいい医者だったが、秘密裏に殺人もおこなっていた。

┌┌──────鳥居耀蔵←─中村主水が暗殺←←←←←←←←←←←←←┐
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↓↓______↑_└→→→→→→→→→→→→→→→→→弾圧等→┐_↑
弾圧_____暗殺未遂_____________________↓_↑
↓↓______↑_______________________↓_↑
↓小関三英?─藝人一座→→天平_________________↓_↑
↓_____________ ↓__________________↓_↑
高野長英→旅藝人一座___↓__________________↓_↑
│_____________ ↓__________________↓_↑
師弟____________ ↓接触________________↓_↑
│____________↓__________________↓_↑
│____________↓┌→→→→→→→→→→→→→→→→→↓→┘
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糸井貢──仕留人仲間──中村主水─仕事人仲間─太棹の新之助←←←┘
_____________↑__________________↓
_____________闇の会________________↓
_____________↑鳥居暗殺を依頼___________追放
____________矢部駿河守定謙←←←←←←←←←←←←←┘


文化・文政の主水が景保のかたきを討ったとき、仲間は景保の弟・市兵衛、と加代、鶴、はぐれ仕事人2名、そして千葉周作。天保の主水が鳥居を暗殺したとき、仲間は元津軽藩士の三味線屋、加代、鶴、平手造酒(ひらてみき)。近藤正臣は市兵衛と高野長英を演じており、滝田栄は千葉周作と平手造酒を演じていた。『からくり人』と『仕事人』で山田五十鈴が使っていたバチの技は長英の弟子・糸井貢に受け継がれた。

田村亮が演じた三味線屋は太棹の新之助。

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08年9/13