中村主水と仕事人、シーボルト事件(文化・文政)
『同心暁蘭之介』、仕置人、仕事人、中村主水と同世代(1)(2)『2007』『2009』

文化・文政時代の仕置人、仕事人(『新必殺仕置人』『必殺仕事人2007』『必殺!III裏か表か』)
 続いて、文化・文政時代(1804~1830)に入る。

 

 

 『必殺仕置人』は番組予告で文化・文政時代の話とされている。

 

 

 

 『新必殺仕置人』は作品解説などで「文化・文政時代」が舞台とされているが、個人的に作品の中でそれが示された場面は覚えていない。

 

 

 

 この作品で、南町奉行所定町廻り同心・中村主水(~もんど)が按摩・骨接ぎ師の念仏の鉄、鋳掛屋(いかけや)の巳代松らの「仕置人」グループに参加していた。「念仏」は本来、「念佛」のはずだが、作品で「念仏」になっているところを見ると、江戸時代にも「仏」は使われていたのだろう。現代中国では「念佛」と書く。また、「巳代松」の読みは「みよまつ」だったと想う。
 主水が鉄と「仕置人」として組んだのはこれが二度目で、前回、主水は北町奉行所の同心だった。

 

 

 

 「己代松」または「巳代松」の読みは「みよまつ」だったと思う。「己」は「おのれ」であり、干支の「み」は「巳」なので、「たつみ」「みよ」は「辰巳」「巳代」のはずだが、日本では固有名に関して漢字の使い方がめちゃくちゃなので「辰己」「己代」もあるようだ。

 

 

 

 『新仕置人』で記録されている江戸の仕置人は「虎」と飛ばれる大元締めの傘下にあり、会合「寅の会」で、仕事をセリにかけていた。

 

 

 

 虎の用心棒・死神は北東アジアのギリヤーク(Gilyak→Nivkh)民族出身だったらしい。「寅の会」は俳句の会を装っていたが、もし、事情を知らない俳句好きの一般人が入会を申請したらどうなったのだろうか。

 

 

 

 松は奉行所に捕まり、拷問で植物人間になった。また、鉄は裏切り者と刺し違えて死亡。江戸では「寅の会」は壊滅し、文政から幕末まで「闇の会」が受け継いだ。虎の元締めは大坂(=大阪)で「寅の会」を存続させていたが、おそらく天保時代に大阪で殉職。仕置人の存在を証明する記録はないので、あくまで推測である。

 

 

 

 さらに、20世紀末から21世紀にかけての日本でも、『“殺医”ドクター蘭丸』で同様の闇組織のセリがあったことが記録されている。現実の世界で「闇サイト」が問題化しており、時代劇の主役のやっていることは犯罪行為であることの証明である。ネットやゲームの危険性が指摘されるが、テレビの現代ドラマや映画の暴力、殺人の氾濫もすさまじいものだ。

 

 

 

 

 

 

『必殺仕事人2007』によると、中村主水は1820年(文政3年)2月14日、書庫番に異動となった。
そこで主水は渡辺小五郎(わたなべしょうごろう<~せうごらう)と出会う。
その時点で主水は「今の仕事もあと2~3年」(要旨)という意味のことを言っていた。

 

 

 

『必殺仕事人2009』によると、その後、主水は自身番に異動となった。
その間、時間がどれだけ経過したか不明。
花屋の政の育ての親役だった野際陽子が今度は渡辺小五郎の義母役

 

 

 

中村主水は『必殺仕事人V旋風編』でも長屋の番所勤めになったことがある。
よく考えたら、『旋風編』で主水がオランダ商館から表彰されたのは1819年であった。
そうなると、主水は定町廻りと自身番を往復していたことになる。

 

 

 

最近の時代劇は夜の場面でリアルに暗くしているせいか、人物がどうなっているのかよくわからない。

 

 

 

1818 文政元年(「必殺仕置人」は文化文政時代の設定)
1819 オランダ商館が主水を表彰(「仕事人V旋風編」)
1820 文政3年2月 主水が書庫番に異動(「仕事人2007」)
1820 文政3年4月 主水、政、竜、秀らが闇の金融組織と激闘(「裏か表か」)
1821 文政4年 主水が自身番勤務(「仕事人2009」)
1823 河内山宗春没(「必殺商売人」に登場)
1828~29 シーボルト事件、主水が高橋景保の仇討ち(「春雨じゃ、悪人退治」)

 

 

前後一覧
08年9/13

 

 

 

関連語句

 



参照

必殺シリーズの時代設定【弐
文化・文政、仕事人関連投稿の前後
『必殺仕事人2007』『必殺仕事人2009』
歴史全般(2008年9月12日~13日)……古代~中世~江戸時代 

 

必殺!3 裏か表か(予告)〕