牛若丸と弁慶(平安末)壇ノ浦→鎌倉幕府成立元寇、桃太郎、一休


 鎌倉時代が終わって南北朝、室町時代に移り、これは大河『太平記』に出てくる。

 『ドラえもん』の「ぼく、桃太郎のなんなのさ」によると、20世紀(1975年ごろ)の日本でドラえもんとのび太が過去を写すタイムカメラで「637年前」の日本を写したところ、桃太郎が写っていた。時代は1338年、延元(えんげん)3年、9月24日。また、20世紀の日本では600年ほど前に撮影された桃太郎の写真を持っているオランダ人が登場。孫悟空だけでなく、桃太郎も野比のび太の変身(変装?)であった。

 のび太はドラえもんたちと当時の日本にタイムトラベルし、桃太郎を探すつもりだったが、のび太自らが桃太郎となってしまい、彼らは鬼ヶ島でオランダからの漂流民に遭遇。ドラえもんはこのオランダ人を「どこでもドア」で
14世紀当時のオランダに帰還させた。
 原作でのび太&ドラえもんと同行したのは同じ藤子・F・不二雄作品からゲスト出演した「バケルくん」だったが、アニメでは『ドラえもん』のいつものキャラクターになっている模様。

 のび太は町の歴史を調べる宿題をするため、本で調べるのは「面倒」だからタイムマシンで調べると言い出したが、何年何月、どこで何があったか知らずに出かけようとした。ドラえもんから「それじゃ、100年の歴史を観るには100年かかる」と言われ、ドラえもんのタイムカメラを使うことになった。言うまでもなく、郷土史を調べる際、本で調べるほうが楽で、予備知識がなければタイムマシンのほうが面倒である。のび太は本で大まかな歴史を調べてからタイムマシンを使うのが得策であった。

明の時代、元は北で存続、高麗が朝鮮に
 1368年、東アジア大陸では、シナに明王朝(~1644)が誕生し、元(1271~)がシナ本土を手放して北に逃れた。西尾幹二氏が『国民の歴史』で書いているように、明の成立後、元はモンゴル高原に残って北元として存続しており、それは清(1616~1912)に合流している。中国史だけを見て、「明ができて元が滅んだ」と解釋するのは、モンゴルを無視した考えだ。

 韓国の映画『武士MUSA』で明と高麗の歴史が描かれている。

 1392年、高麗が滅んで朝鮮王国の時代となった。これは高麗に飲み込まれた新羅や、かつての百済の復興、独立などとは違う選擇肢であり、全体が新国家になってしまえば、併合を「侵略」、「被侵略」と考える人はいないだろう。建前の「歴史」とは「侵略」を正当化するものである。国名や国境が変わるたびにどれだけの血が流れていたか、想像したほうがいい。

『もののけ姫』は室町時代が舞台。

『タイムボカン』第38話「桃太郎の鬼退治だペッチャ」では桃太郎の時代設定が「1200年前」となっており、『ドラえもん』の解釋と合わない。
『タイムボカン』は1975年から1976年まで放送された。その時代から1200年前は775年から776年で奈良時代である。

2008年12月29日、TBSテレビでザ・たっちが披露した藝では、桃太郎が双子という設定で、3回(推定)のジャンケンで勝った側がイヌ、サル、キジを独占、負けた側がゴリラ、オオカミ、コンドルを集めるというもの。
確か『こち亀』でも両津が桃太郎に対する疑問点を指摘していた。そこでもイヌ、サル、キジより強い家来を考えていたような気がする。
85巻収録、93年の「新説桃太郎!の巻」だろうか。

『ぼく、桃太郎のなんなのさ2008』では、やはり「637年前」に桃太郎がいたことになっている。
すると1338年から637年後だと1975年。2008年から637年前は1371年。
1338年に足利尊氏が将軍になっている。1371年だと足利義満の時代である。

映画『桜田門外ノ変』で関鉄之介(演:大沢たかお)は捕縛された際、「鎌倉幕府や足利幕府のように江戸幕府も滅ぶだろう。そのとき、水戸はどうする」と言っていた。鉄之介が「室町幕府」ということばを使わず「足利幕府」としたのは何か歴史の解釋の上で理由があったのだろう。

年表
1333年 鎌倉幕府滅ぶ。建武の新政(建武の中興)
1336年 後醍醐天皇が吉野に移る(南北朝時代、~1392)。足利尊氏が室町幕府を開く。
1467年 応仁の乱
1573年 室町15代将軍・足利義昭が織田信長に追放されて足利幕府滅ぶ。

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08年9/13