アフガニスタン東部でNGO組織「ペシャワール会」(Yahoo!検索)の伊藤和也氏が拉致され、遺体で發見された。遺体には6發の銃創があったらしい。
Wikipediaでは「ペシャワール会」に関する項目で「削除が提案」されている。ネットの百科事典などいつ削除されるかわからない。

 

まず、何より犯人が悪いということ。

 

1945年の沖縄戦では日本軍とアメリカ軍が戦闘になり 、「日本軍のせいで沖 縄県民が犠牲になった 」と言われる。ここで アメリカの責任が言及 されないのはGHQの洗脳か(基地のヤンキーによる暴行に対する 県民の怒りはあるだろうが)。

 

では沖縄に日本軍がいなかったらどうか。
満洲ではソ連軍の襲撃やモンゴル人、大陸の現地人(「暴民」「匪賊」と呼ばれた)によって日本人が多数、殺傷された。このとき関東軍は帝国臣民を見捨てて逃走したので批判されている。それなら関東軍はソ連軍その他を相手に戦って玉砕すべきだったことになる。

 

63年前の満洲でも そうだが、在外日本人 が被害にあうと、日本政府(または軍)が悪 いか、本人の自己責任かというように、現地 の犯人そっちのけで「日本人同士の責任の押 し付け合い」になるのが常である。それが問題だ。日本では紛争や戦争の原因が他国にあるという視点が缺落している。

 

紛争地域に日本人が仕事に行けば犠牲者がでるのか覚悟。
一人死ぬたびに迷惑だだの親不孝だのと言っていては国際貢献はできない。

 

結局、戦争への反省は、今度日本人が海外にいるとき、または日本領土が攻め込まれたとき、自衛隊は日本人をきちんと守り、最後まで敵と戦うべきだということになる。

 

海部内閣から宮澤内閣にかけての時期を想い出そう。
PKO国会によって、国際平和協力法が成立し、自衛隊海外派遣が可能になった。PKO関連の報道で自衛隊の映像がでることに海部首相は不満を示していた。

 

1993年の出来事を確認すると、4月8日にカンボヂアで選挙監視活動中の国連ボランティアの人が射殺された。
春のゴールデンウィークのときにこのニュースが飛び込み、午後のワイドショーなどでも大ニュースとなっていた。

 

自衛隊カンボジア(カンボヂア)派遣の際、警察官・高田晴行氏が現地で犠牲になった(Wikipedia「国際連合カンボジア暫定統治機構」を参照)。

 

そこで日本では日本政府への批判が出たが、現地の犯人を恨むべきであった。

 

世界ではPKOとPKFの区別は不毛で、 紛争地域で働く人が犠 牲になるのはよくあること。戦争がないとい う意味で平和とされる 日本でも銃撃事件があるくらいだから。
そして、死んだ人には哀悼の意を示す。生き延びた人も同じ。
イラクの人質(イラク日本人人質事件)について日本国内から人質に対し口汚い批判が出たが、むしろアメリカのパウエルがかばったのをお忘れなく。中国ではコソボ空爆で死んだ中国人を愛国烈士としてたたえていた。

 

伊藤和也氏本人はこうなることも覚悟していただろう。
ただ、日本のマスコミが騒ぎすぎで平和ボケ暴露。アフガンは紛争地域なのだから、NGOが行けば犠牲者が 出るのは想定内。
日本のマスコミは予想外の大事件のように大 騒ぎしているが、何度も紛争のあった地域に派遣されたNGOであれば犠牲者が出るのは 覚悟の上であろう。

 

日本国内で「非武装なら攻撃されないはず だ」とおもっている人 がいるようだが、それは日本国内の憲法という紙っぺらによる平和 ボケによる勘違い。現場で戦っている自衛隊 はもちろん、NGOも世界の現実をわきまえて、いつ銃弾に倒れるかわからないという覚悟はしているだろう。
「丸腰の民間人であれば攻撃されない」と いうのはケンポー9ジョーという紙切れに洗脳された日本人の平和 ボケ。

 

何しろ日本国内でも殺人事件は年中起きている。
日本国内でも「相手は誰でもよかった」という殺人があるくらいだから、アフガンがどういうところか考えれば、今回のようなことはあって不 思議はない。

 

日本(国民&政府)はアフガン政府と協力して犯人を捜し(見つからないかも知れないが)、あとは防衛策を考えること。一人誘拐されて殺されたくらいで慌てて本国に逃げるようではただの観光客レベル。
紛争地域で働くなら特攻隊の覚悟で行くしかない。

 

本来、戦争の放棄や国際紛争の解決方法は条約や国際法で決めるべきである。それを日本では「日本国憲法」という国内法の紙切れの論議で考えているから、話が面倒になるのである。

 

アメリカでイラク戦争への批判があるのはいいのだが、その理由が「アメリカ兵がたくさん死んだ」ということであるのは、どうもご都合主義である。戦争をすれば兵士は死ぬのが当然である。むしろ、イラクの側の戦死者にも哀悼の意を示すべきだ。アメリカ人は戦争になっても自国の領土と自国の兵士には弾一つ当たらない(当たってはならない)とでも想っているのか。

 

キング牧師演説から45年たった同じ日、8月28日にアメリカの民主党オバマ議員も演説を行なった。

 

前後一覧
2008年8/28~31

参照
2008年7月~8月