これは僕が井上陽水という音楽家をよく知らなかった頃の話。
『リバーサイドホテル』の人。大御所歌手らしいけど、たまにTVに出る面白い人と思っていた頃。
そんな頃の話だ。
高校一年の時にバイト先の社員の男性の車に乗せていただいた時、カーステレオからカセットで流れていた歌が今回の話のキッカケだった。

当時の僕は安全地帯が好きで井上陽水とコラボしたヒット曲も聴いていたのだが、井上陽水に関しては先に述べたように興味は薄かった。
そこへ井上陽水が歌う『恋の予感』が流れてきた時も、これ誰が歌ってるの?と素で思った無知が今思い出しても恥ずかしい。
彼が井上陽水のファンで安全地帯に歌詞を提供したことや、他の歌手にも多数の楽曲を提供しているかこと、今流しているのはセルフカバーアルバムであることを教えられたのだが、正直当時の僕には良さがわかったとは言えない。
なんか大人の恋愛を歌うオシャレなSSWなんだなとは認識したが、音楽は洋楽ハードロックを中心に聴いていたあの頃はピンとこなかったのだ。

その後ラジオで聴いた『氷の世界』を好きになった少し後に初期のアルバムが初CD化されて、そこから少しずつハマっていったのは別な話。
それでも大人の恋愛の歌よりシニカルな視点の歌が好きで、井上陽水と言えばシニカルな歌が最高だ!と長年言い続けてきた。
そんなわけで初期のアルバムはLPで買い集めたほど好きなのだが、以降のアルバムは借りてカセットに録音して聴くくらいだったのが今はサブスクという便利なものがあるので(笑)

『9.5カラット』をサブスクで試聴。

実はこのアルバムはちゃんと聴いたことがなくて、
カーステで流れていたあの日ぶり。
1番好きなのは当時の最新シングル『いっそセレナーデ』だが、ソングライターでヴォーカリストとしての魅力が堪能できるし、アレンジも陽水の声に合わせたバージョンになっていてスゴク良い。

月刊カドカワの総力特集井上陽水で本人による全アルバム解説があったが、本当は10曲だから10カラットなんだけど語呂が良くないから9.5カラットにしたと明かし、インタビューでは『いっそセレナーデ』は他の人に提供した曲ではないからまだ半人前なので、9.5カラットというタイトルにしたんですともっともらしいことを言うんですと解説。
そんなところも好きです。