母と冬散歩・神戸(後篇) | 京一花日記帳

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先週末の、母と神戸の冬散歩、後篇です。

母が一度訪れたいと言っていた、神戸の北野異人館エリア。高台に位置していて、坂の多いエリアです。




(画像はお借りしました)

今回は、黄色く○で囲んだ場所を訪ねました。(外観のみも含む。)


異人館とは、幕末から明治、昭和初期にかけ来日した欧米人が、住宅として建てた西洋館です。

では、なぜこのエリアに集中しているのか?

明治に入り開港されると、欧米人が神戸に多く住むようになりましたが、 当初その地域は、海近くの外国人居留地に限られていました。(日本人との紛争を避ける意味もあった)


外国人の増加により、だんだん土地が足りなくなりますが、居住地を増やすことは、当時政府の悩みの種だった、治外法権のエリアを広げることになります。

そこで政府は、居留地から山手に伸びる南北を整備し、そこに限り日本人との雑居を認めました。


※1894年(明治27年)、時の外務大臣・陸奥宗光氏(天満屋事件を起こした人物ですね)が治外法権の撤廃に成功すると、1899年(明治32年)、政府は、ついに神戸の外国人居留地を廃止します。


そんなわけで、この高台には明治から昭和初期にかけて、200余りの異人館が建てられたそうです。


まずは、「ラインの館」




旧ドレウェル邸。1915年(大正4年)築。1978年(昭和53年)の一般公開の際に愛称を公募した結果、「ラインの館」となったそうです。

お庭。




この木は、クリスマスツリーなのだそうですよ!何とも可愛い形です♡







北野町広場まで下りてきました。




そのすぐそばに、また、北野天神さまです。




平清盛公が都の鬼門鎮護のため、京都の北野天満宮をこの地に勧請したものです。

長ーい階段をがんばって登ると、お隣に建つ「風見鶏の館」の風見鶏を、間近に見ることができます♪


「風見鶏の館」




ドイツ人貿易商、ゴッドフリート・トーマス氏が自邸として建てた建物です。1909年(明治42年)築。中は木造階建、レンガで外壁を覆っています。

門扉上部には、「Rhenania」の文字。ライン河という意味です。ドイツの故郷を想っていたのですね。

中を、ちらっとだけ…






この館を一躍有名なものにした、1977年(昭和52年)のNHKの朝ドラ「風見鶏」のポスター。




菊の紋を模しているそうです!おわかりでしょうか?




当時、異人の間で流行ったのだとか。

当然本来は許されませんが、日本人も、外国人のすることだから、と容認していたのだそうです。


館の上に立つものと同じ大きさの風見鶏が、展示されていました。



私の身長くらいある、とても大きなものでした!!


トーマス夫妻には、一人娘のエルゼさんがいらっしゃったのですが、 エルゼさんのお部屋が、どのお部屋よりも大きかったのが印象的でした(笑)

大切に育たれたのですね。晩年、こちらを訪ねられた際のお写真も飾られていました。


続いて、お向かいにある「萌黄(もえぎ)の館」 この館、大好きになりました。




とても綺麗な色…これを萌黄色と呼ぶのですね。アメリカ総領事ハンター・シャープ氏の邸宅として建てられました。 1903年(明治36年)築。木造2階建。


↓このピアノが、この館内の家具の中で最も古いものだそうです。








↓ここから、海までが一望できました…!




お庭






1944年(昭和19年)、この「萌黄の館」は小林秀雄氏(元神戸電鉄社長)の住宅となりましたが、

小林氏は韓国好きであったため、韓国の灯篭が建てられ、韓国の卵型の石が敷きつめられていました。

1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災で、煙突がさかさまに落ちたものが、そのまま残されていました。




この萌黄の館自体も、かなりの被害を受けましたが、1年をかけて見事に修復されていました…。


神戸という街は、本当にすごいですね。震災の面影が、街には全く見受けられません。それでいながら、こうしてしっかりと歴史に残している。

東北の復興も、神戸のように一刻も早く進むことを祈ります。


異人館はほかにもたくさんありますが、 国指定重要文化財になっているのは、「風見鶏の館」と、「萌黄の館」だけです。

大切に保存されているということが、建物に入らせていただいてよくわかりました。


ここで、ボランティアガイドさんとお別れです。 ご案内していただいたおかげで、見過ごしていたであろうたくさんのことに気付くことができました。

これから神戸観光されるかたへ、本当にお勧めしたいです。

何と言っても、ガイドの方々のお人柄が素敵でした・・・(ノ´▽`)ノ 本当に、ありがとうございました。


この後、「仏蘭西館」へ。長屋になってつながっているのです。








ほぉぉぉ…と、こちらもため息の出る空間でした。本当にフランスにいるみたい。

映画「アメリ」のサントラがかかっていました…♡


異人館エリアをあとにして、「トアロード」を南へ下っていくと、ありました。




北野工房のまち」です。もとは北野小学校だったのを、リノベーションされたものです。






手づくりのワークショップなどが開かれていて、とても賑わっていました!



第二の目的地、南京町へ。




この日、中国の旧暦のお正月を祝う「春節祭」のプレイベントとして、こんな方がいらっしゃいました!




獅子舞演舞です。




すごい迫力でした!!!旧暦元旦は、1月31日(金)です。盛り上がるのでしょうね…!


元祖豚饅頭で有名な、「老祥記」 ものすごい長蛇の列を並びました・・・






肉汁たっぷり!!初めていただきましたが、とってもおいしかったです( ´艸`)


神戸散歩、なかなかの充実ぶりでしたありがちなキラキラ
お母さん、また一緒に行こう。それまでまた元気でいてね。