反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

[要約]
・日本に貧困者が増えている。
・日本の全労働者のうちの3分の1は非正規雇用である。非正規雇用者は、その雇用形態から安全に生きられるという保証が無い。
・日本は3層のセーフティネット(雇用、社会保険、公的扶助があるとしているが、適切に機能していない。
・また、生活保護受給者も1995年から一貫して増えており、151万人に達している。しかも、これは捕捉率15%から20%と言われているので、600万世帯ほどの生活困窮者が生活保護から漏れているとされる。
・貧困が原因で、犯罪や児童虐待が増えている。
・数百万人の貧困者がいると思われるが、日本はそれを認めない。なぜなら、それを認めることは憲法25条で定めた生存権が満たされていない国民を放置していることを認めることを意味するからである。

[感想]
貧困は見えにくい。が、かなりの人が貧困で苦しんでいる。犯罪も増えるし、国は対策が急務だよなあ。けど、財源が無い。社会保障に回すお金がない。そうなるとやっぱり、やるべきは財政建て直しだよな。公共事業と天下りにかかってるお金をばっさりカットして社会保障にまわしてあげてください。

あと、お金持ちにもう少し税負担してもらいましょ。人間は「最低水準の富」を確保するまでは所得と幸福の間に相関関係があります。しかし、一定以上の所得を確保すると、所得が増えても幸福度合いはそんなに変わらない。だったら、やっぱり、お金)持ちにもう少しお金を払ってもらうしかないんじゃないかなあ。

でもそうするとお金持ちが「日本じゃ金稼げねえや」っていって、海外に出て行ってしまう(たしかシンガポールとか法人税安いんだよね)。そうすると税収が減って、財源がなくなる。うーん、どうすればいいのか。

僕の税負担が増えるのはいいですよ、別に。すごく恵まれた環境でのびのび生きてられることを感謝しておりますので笑。だから消費税増税とかは全然良いですし。来年から働き出すけど、給料から天引きされる税金は、増えても良いと思ってます。それはやっぱり「所得と幸福の相関関係」について腹落ちしているからです。

「政府の信頼回復」「所得と幸福の相関関係の国民全体での共有」を図って、お金持ちの皆さんに、税金増えること納得してもらうのがいいんではないでしょうか。

財務省と厚生労働省のみなさん、がんばって!