以下の文章にとてもひきつけられます。

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 わたしがわたしの悪魔を見たとき、その悪魔は、まじめで、深遠で、おごそかだった。それは重さの霊であった。―この霊に支配されて、いっさいの事物は落ちる。
 これを殺すのは、怒りによってではなく、笑いによってだ。さあ、この重さの霊を殺そうではないか。

 わたしは歩くことを学びおぼえた。それ以来、わたしはひとに押されてから動き出すことを好まない。
 いまわたしは軽い。いまわたしは飛ぶ。いまわたしはわたし自身をわたしの下に見る。いまわたしを通じてひとりの神が舞い踊っている。

中公文庫 ニーチェ『ツァラトゥストラ』 p.62-63

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