言葉の中でも、気持ちを比較的ストレートに表す「ごめん」と「ありがとう」。
それぞれ、お詫びの気持ちと感謝の気持ちを言葉にしたものですが、仕事でもプレイベートでも多用され、一日を過ごすうちで使わない日は無いのではないでしょうか。
この二つの言葉は、とても密接で似ている部分も多く、話の流れ次第で、どちらを使うこともできます。
そこで、どちらも使うことのできる場合、または双方の気持ちが入り混じっている場合の時には、できるだけ「ありがとう」を使い、感謝の気持ちを相手に伝えるようにしましょう。感謝の気持ちは、相手を嬉しくさせてくれます。相手が嬉しくなってくれると、それを受けて更に自分も嬉しい気持ちになります。
ある人の、誕生日の直前のことです。プレゼントをあげようと一緒に見に行っていたのですが、その際に自分の物として買おうかな、と思ったものがあったので話をしていると、その人は私の為にそれを買ってくれました。その人の誕生日プレゼントがメインの買い物でしたので、私はとても申し訳ない気持ちになりました。勿論、嬉しかった気持ちもあったのですが、それ以上に相手の誕生日なのに、余計な負担を自分にさせてしまったということに済まないなぁ、と感じていたのです。
「逆に自分の方がプレゼントを貰ってしまい、ほんとにごめん」と申し訳ない気持ちを伝えると、相手の方は、言葉にしない態度で怒り出してしまいました。最初は、なぜ不機嫌なのかがわからず、せっかくの誕生日なのに何が不満なんだろう?と、自分まで気分を悪くしてしまいました。
その後、きちんと話をしようということになり、なぜ急に怒りだしたのかを聞くと、その理由は、素直に喜んでくれなかったことだったということがわかりました。その時、私は本当に相手の気持ちをわかってあげることが出来ていないことを反省しました。
私が伝えるべきだったのは、相手の誕生日なのに逆に自分のプレゼントを買わせてしまって申し訳ない、という気持ちより、単純に自分へのプレゼントに対する感謝の気持ちだったのです。
以来、このことに気づいた私は、仕事でもプライベートにおいても、お詫びと感謝どちらの思いもあり、なおかつどちらを伝えてもおかしくない場合には、「ありがとう」を言うようにしています。例えば、職場で遅くまで従業員ががんばってくれた時、「遅くまで仕事させてごめん」よりも「遅くまで頑張ってくれてありがとう」と伝えるようにしています。
よくよく考えれば、他人より相談を受けたようなとき、その際に「時間をとらせてすみません」と言われるよりも「時間を作ってくれてありがとう」と言われる方が自分自身も気持ちのいいものです。ちょっと物をとってもらったような時でも、「ごめん」より「ありがとう」の方が、お互い気分のいいものではありませんか?
勿論、場面によってはお詫びの気持ちに徹しなくてはならない時もあると思います。しかし、その場合であっても赦しを得たなら、その赦しを得たことに感謝の気持ちを重ねて表すことが出来ます。
「ありがとう」という言葉には、相手を快くし、自分をも快くする素敵な相乗効果があります。
ですので、みなさんもできるだけ「ごめんなさい」より「ありがとう」を沢山つかうようにしましょう。
「ありがとう」という感謝の気持ちの表現ついては、少し手を加えることで更に自分をよりよくすることができるので、それについては、また次回にお伝えしたいと思います。