箱根・強羅へやってきました。 | 狂言和泉流野村派のブログ

箱根・強羅へやってきました。



8月30日

亡き師父の若い頃には頻繁に行われていた…という話は聞いていたものの、近年はすっかり耳にしなくなった、温泉旅館での御素人(愛好家)諸氏による「素謡会」にお役を頂いて招かれ、箱根・強羅にやってきました。

テレビのロケ番組で紹介されているのを何度か観たことはあったものの機会を得ず、四十路になって初めての箱根で「気分はウキウキ♪」…と言いたいところですが、実はチョイと問題あり。
今回間狂言を勤める曲は所謂“居語(いがたり)”と呼ばれるもので、シテとの掛け合いが無いため通常素謡では役の付かないものを、主宰の先生のお好みで敢えて“語り部”としてお役を三番頂戴したのですが、これが全て等級の高い難しい曲ばかりで、その内の一番は能としての上演ならばまだ御指名を頂けないような重い習い曲もあり、勿論初役ということもあって前々から少しずつ自習はしていたものの、ただでさえ居語は苦手なのに、それが一日に三番で、しかも大曲揃いであるため、お盆過ぎからは日増しに焦りが募るばかり…

【小田原】から【箱根湯本】そして会場のある【強羅】へ。
初めて乗る箱根登山鉄道の車窓から目に飛び込む景色を眺めながら、最後の仕上げをして本番に望むぞッ!