こんにちは!スピーキング力養成英語コーチの日野ゆう子です。

 

TOEICの講師をしていた時、ある出会いがありました。

 

レッスン受講6か月で500点台から830点を突破。その生徒さんのTOEIC受験の目的は「就職活動の履歴書にできるだけ高くTOEICのスコアを書きたい。」でした。

 

 

もともと勉強が苦にならないタイプの生徒さんということもあり、その方は6か月間、レッスンと宿題に本当に一生懸命とりくまれました。

そのうえで「どうやったらスコアがあがるのか。」「宿題以外に勉強をしたいのだけれど何をしたらいいか。」熱心に質問をされ、アドバイスをすぐに実行。一生懸命頑張って毎日のほとんどを英語の勉強に費やされていたと思います。

 

「とにかく短期間でスコアを上げる。」実現のために自分は何をすればいいか、いつもそのことを頭に努力、行動されていた生徒さんでした。

 

半年後、毎日の努力が実り、あこがれの800点を30点上回るスコアの結果が出たときは、「先生!やりました!!」と大喜びしながら真っ先にご報告をしてくだり、私もうれしい気持ちでいっぱいになりました。本当に努力をされていたのをそばで見ていたからです。

 

 

そんな彼のレッスン最終日。

 

英会話学校の同僚だったネイティブの先生がTOEICクラスで頑張った彼の努力の話を聞いて、お祝いを言いにやってきました。(生徒さんがとっていたのはTOEICの授業のみで、会話クラスを担当していたその先生とは一度も話したことがありませんでした。)「おめでとう!君の頑張りの話を聞いて感動したよ。一言お祝いを言おうと思ってきたんだ。」「毎日頑張って勉強をしてたんでしょ、どんなことをしていたの?」

 

その生徒さんの反応は・・・

 

その生徒さんはその場で固まってしまわれ、先生に短くお礼を言いえただけでした。(笑顔でお話をされていたので、もちろんネイティブの先生とも悪い雰囲気にはまったくなりませんでしたが。)

 

先生が話しかけた言葉の趣旨を理解することはできたようですが、自分の言いたいことが口から出てこずに、うまく反応することが出来なかったのですね。全く予期をしていないタイミングで話しかけられたこということもあるかもしれません。

 

今日私がこのエピソードをご紹介したのは、「スコアだけ高くてもいざ話せないと意味がありませんね。」ということではありません。

 

 

生徒さんはその先生がその場を離れた後、にこっと笑っておっしゃいました。「僕の目標は、とりあえず履歴書に高いスコアを書きたいということでした。だから、その目標が実現できてとても嬉しいです。これからは、次の目標としてスピーキングを鍛えることです。就職活動が終わったら今度はスピーキングの練習に集中して頑張ります。」

 

彼の目標はとてもしっかりしていて「とにかく、とにかく短期間で履歴書に書けるようにスコアを上げる。」でした。「スピーキング力も付けながらスコアもあげていく」ではなかったのです。

 

だからこれでよかったのだと私も思っています。就職活動を間近に控えた生徒さんにとって、TOEICのスコアは高いに越したことはありません。そのスコアがあることで、自分の働きたい業種につくことや、会社に採用される可能性が高くなり、自分の夢に一歩近づける。

 

この生徒さんにとっても、TOEIC受験の理由はそこにありました。

 

逆にいうと、たとえコミュニケーションを英語ですることができたとしても、それを客観的に英語力を証明するTOEICのスコアや資格がなければ、選考の土俵に上がることさえできないという場合もたくさんあるでしょう。

 

目的がしっかりしていたから、そのために短期間に何をしてどのようにすればスコアがあがるのか、テクニック的な部分も含めて、しっかり吸収をし、実行をされたのです。

 

私はその後遠くへ引越しが決まり、その学校をやめなければならなくなってしまったのでその生徒さんのその後はわかりません。でも、きっと彼のことなので、就職活動が終わったら、今度は「話す」にフォーカスをあてて全力で取り組まれたのではないかと思っています。

 

試験を受ける目的や理由は、学習者の方のものです。周りが決めたり判断するものではありません。

 

先ほどの生徒さんの目的は「とにかく短期間でスコアアップ」でした。ですがこの生徒さんがもしも「スピーキング力も付けながらスコアもあげていく」という目標をお持ちだった場合には、もう少し違うアプローチで勉強法をお伝えしていたと思います。道のりが変わるということですね。

 

会社員の方や、学校の先生がTOEICに挑戦をされる場合もその目的は様々です。「会社(学校)に提出するために、もしくは自分に自信をつけるためにとにかくよいスコアを持っておきたい。」という場合も、「少し時間がかかってもTOEIC教材を使いながら英語力を伸ばしていきたい。」という場合もあります。

 

受験の前に一度を整理をしておかれるとそのあとに続く道のりも見えてくると感じています。

 

 

英語の勉強法探しをやめて、効率よく英語を身に着けるための

英語コーチングとは

 

プロフィール

 

お問い合わせ・体験セッション予約フォーム