【辟易させられる東大に関する発言の真実】
 
ストレス発散にネタ記事を投下します。
 
こういった発言、ネット記事や雑誌の受験特集などでよく見かけるんですよね。↓↓
 
(よく見る発言)
①東大は標準的な問題を出す
②東大は難問は出さない
③京大は天才、東大は秀才
④東大生にガリ勉は少ない
⑤東大生は親から勉強しなさいと言われたことがない
⑥医学部は東大非医並みに難しい
⑦理Ⅰまでは努力でいけるが、理Ⅲは才能が必要
 
私は東大卒でもないし、東大の関係者でもないですが、こういう発言にはほんとうに辟易させられます。よって、上記の発言を正しい言葉に言い換えます。
 
(真実)
①東大は本質的な問題を出す
②東大はクソ問は出さない
③京大は秀才、東大はより磨かれた秀才
④東大生は世間のガリ勉以上の勉強量を平然とこなす
⑤東大生の親は勉強しなさいと言う必要がなかった
⑥大半の医学部より東大の方が難しい
⑦理Ⅰも才能が必要
 
 
いくらか補足します。
 
①東大は標準的な問題を出す
②東大は難問は出さない
→「標準的」という言葉を真に受けている人はいないと思いますが、これは「基本的な原理原則を深く理解していれば太刀打ちできるが、そうでなければ全く歯が立たない」、「知っているかどうかだけの重箱の隅をつつくようなクソ問は出さない」という意味であり、青チャートに載っているような“標準的”な問題が出てくるわけではありません。
 
③京大は天才、東大は秀才
→これたぶん京大生のほうがうっとうしいと思っていると思います。
→「京大の問題は天才型で、東大の問題は秀才型」とかもよく言われますけど、実際には東大生は京大の問題もできます。
 
④東大生にガリ勉は少ない
⑤東大生は親から勉強しなさいと言われたことがない
→「東大京大に行く子の親の特徴」とかもよく特集されていますけど、(教育に関して)「こんな理想的な親だから東大京大に行けた」と「東大京大に行けるような賢い子だったからこんな理想的な親でありえた」のどっちが正しいんでしょうね(笑)
→同じ親なのに、兄弟姉妹の片方だけ狂気の受験になってしまったというケースは多いと思います。
 
⑥医学部は東大非医並みに難しい
→医学部は今も昔も難しいけれど、2010年代の難易度に比べるとマシになってきています。
→今年、河合塾が出している大学入学共通テストの東大ボーダー(理Ⅰ89%、理Ⅱ87%)を超えている医学部はほとんど見つけられませんでした。
しかも東大は共テ:二次=1:4なのにこの出来という…。
こいつら化け物ってことでいいですか
 
⑦理Ⅰまでは努力でいけるが、理Ⅲは才能が必要
→「理Ⅰ理Ⅱまでは努力でいける」という人に限って、「でも理Ⅲだけは才能が必要」とおっしゃいます(^^)
 
 
あと、東大生や東大卒の人が「東大は世間が思っているほど難しくない」と発言するのは、受験のときの記憶(苦労、プレッシャー、恐怖感)が薄れてきていることも原因の一つではないかと思います。
 
人間は、過去に経験した苦労のうち、成功したことは過小評価してしまう性質があります
 
昨年の東大の入試結果を見ると、合格者平均点と合格最低点の差は、550点満点中25点くらいしかありません。
◆2022年 東京大学
・理科2類
 合格者平均点 313点
 合格者最低点 287点
 差       26点 
・文科2類
 合格者平均点 330点
 合格者最低点 306点
 差       24点
 
数学の大問1つが20点ですから、合格者平均点でも入試で事故一発かましたら落ちていたレベルなんですよ。(120点満点の数学で20点くらいは余裕で変動します。)
 
さらにいうと、理科2類の合格者最高点は405点であり、平均点を中心にすると、最高点1名に対して、最低点3~4名で釣り合っています。
 
したがって、合格者平均点=合格者中央順位ではなく、合格者の中央点はさらに最低点側に寄っているということになります。
 
先ほどご説明したとおり、合格者平均点でも事故一発で当落線上まで来るので、合格者中央点(合格者の中で真ん中の順位)以下の人は、もう事故一発どころか、「問題との相性次第だった」と言っても過言ではありません
 
すなわち、スレスレで入った人が過半数を占めているにもかかわらず、「東大は世間が思っているほど難しくない」といった発言をするのは、勘弁してくれって思います。
 
私の言っていることは、間違っているでしょうか?