上海に居ます。 | 教文山下お仕事ブログ

上海に居ます。

久々の更新です。

札幌ではアートステージが終わり、僕は色々あって上海に来ました。

アートステージは、市民の皆様にアートをもっと気軽に楽しんでもらおう!という企画だと思うんですけど、結局どうだったんでしょうかね。

私たち職員は、大概自分たちの劇場の業務に追われ、あまり外に何か見に行くような時間が作れず、いつも見たい作品を逃してしまって悔しい思いをするのでありますが。

皆さんはいかがでした?
楽しむことはできましたでしょうか。

市民に向けて、というと途端に対象となる人が曖昧になってしまって届かなくなることもあるので、気を付けなければならないところですが、外国に来て思うことがあるんです。

というのは、途上地域や電気・ガス・水道などのいわゆる「ライフライン」みたいなものが整備されてない地区にとって、アートってなんだろう?と。それも「ハイアート」と呼ばれるような。



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時代に沿って、その国の速度に合わせて(もしくは先取って)文化は発展するわけなんですが、日本人であることで、何ができるか考え込んでしまいます。

そこの方にとっては、美術の歴史の中で「誰がどうして今こうなって、だからこうなる」みたいなものは全然必要じゃなくて。多分必要とされるのは結構純粋に音楽を演奏したり、笑わせたり、踊ったりという、すごく身体的なものなんじゃないかな、と。


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アートマネジメント的発想をすると、何がその地域で求められているかの調査(フィールドワーク)を重ねて、必要な人や道具、イベントなり作品なりを出会わせることが自分のできることなのですが、引き出しといい、言葉といい、足りないものだらけで。

別にそういう地域でプロジェクトをするってわけでは今のところ無いのですが、何かいつの間にか全てのプロジェクトを、疑いも無く「日本人」向けに発信してたなぁと、思うのです。

国内1億人ちょっと(むしろ札幌190万人)のマーケットの中だけで勝負しようと、いつの間にかそんな思考回路が出来上がってて、なかなか広がりを見せられずにいまして。

韓国の例がよく出されるんですけど、韓国は国内の需要には程々に諦めて、諸々海外で商売しようと政府単位で動いてるんですよね。そのための語学教育だったり。
すごい勢いですからねー。じゃんじゃん人材も放出してネットワークを世界中に広げてるみたいだし。

そういう意味では上海の日本人ネットワークもものすごく強固で、民族意識のようなものはすごく感じています。

さてさて、何が言いたいのかというと、もっと色んな世界を知らなきゃいかんなぁ、と。ジャストで日本の札幌に当てはまることじゃなくても、外から見た日本なり札幌の立ち居地が見えたり、全然違う地域の事例を見たりすることで、開けていくんじゃないかなぁ、と。

まだまだ勉強中。

意識の矛先と、言葉。