500m美術館【さっぽろアートステージ】 | 教文山下お仕事ブログ

500m美術館【さっぽろアートステージ】

11月7日、教文13丁目笑劇場、無事終了しました!
ご来場いただいた皆様、宣伝協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。

満員とはいきませんでしたが、我らが笑劇一座、渾身の作品「スパーク!忠臣蔵!」は
たくさんの笑いと、予想外の涙で、大きな拍手に包まれて無事終わりました。
本当に良い作品でした。

また近々写真をアップしますね。


さて、今日は札幌で行われている「さっぽろアートステージ」の企画

500m美術館

を、見てきました。

どんな企画かというと・・・


地下鉄東西線「大通駅」と「バスセンター前駅」を結ぶ約500mの地下通路。
普段何気なく利用しているこの地下通路をギャラリーに、たくさんのアーティストの作品を展示して、この日常的な空間を美術館に変えてしまおう!というのが「500m美術館」です。期間中は、札幌のみならず世界各地で活躍するアーティストが様々なスタイルで、道行く人を楽しませてくれます。

期間/2010年11月1日(月)~12月12日(日)
会場/地下鉄東西線地下コンコース「大通駅」「バスセンター前駅」間

(HPより抜粋)

そもそもアートステージという札幌市が進めている事業の中の「美術部門」の催しで、
いわゆる「アートを身近に感じてもらおう」という趣旨のものです。

$教文山下お仕事ブログ-500m


ほんで、この500m美術館のディレクションをしているのが、

「札幌ビエンナーレ」実現に向けて動いている 端 聡 さん。

期間が長いのに昨年は見ずに終わってしまったこの企画。
なので1年ぶりの鑑賞だったのですが。

正直、良かったです。

今回は「一般公募」と「推薦」を分けて展示してあり、
「推薦」は注目すべき札幌のアーティスト17名!ということでした。

推薦の作家の作品の中には、本当に魅力的な作品もあり、
こんな作家がいたんだなぁ、と単純に嬉しくなりました。

河原健さん、國松希根太さん、風間真悟さんの作品が、かなり良かったです。
ここからは現代美術好きの僕の勝手な戯言です。

河原さんの作品は

$教文山下お仕事ブログ-kawanosan

こんな感じです。
こういう絵画が数点展示されています。

色使いや柔らかな印象を受ける絵です。

小林孝亘さんという画家が居るのですが、小林さんのような暖かな光の表現で日常性を際立たせる表現と通じるものを感じました。

その他にも、スッと心に入ってくるような絵を描く方で、うっとりしてしまいました。


國松さんの作品は

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こんな感じです。

Horizone というタイトルの作品が4点。
日本画を思わせるぼんやりとしたタッチですが、寄って見てみると・・・

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淡い線のようなものは、木の年輪なんです。
國松さんの作品は、実は何度か見たことがあって、
普段は木を素材とした立体作品を多く手がけています。

平面を見るのは僕は初めてだったのですが、
木という素材に対してのアプローチがすごく自然で丁寧で、その眼差しに愛を感じました。

既に海外でも通用するんじゃないか?と思わせるような作品を、次々と発表する國松さんは、
実は僕が勝手に超期待している作家さんです。

会って話したこともあるのですが、人柄もすごく良い方で、何かしらプッシュアップしたいと思っています。
國松さんのHPも楽しいです。

ほんと、是非みんな見てください!


風間さんの作品は、うまく写真に撮れないものだったので掲載しません。

造形的に幾何学的で美しい半立体作品です。
うまく言葉では表現できなくて悔しいですが、白い背景に黒いオブジェが映えていました。
「壁の存在」を意識したという説明書きがかかれて居ますが、あまり読まないで見た方が楽しいかと思います。ちょっと説明的すぎる気がしました。


と、こんな感じで沢山の作品が鑑賞できます。
しかも無料で。

いかんせん「通路」なので、作品自体に求心力のようなものを含んでいない作品は完全に「風景」になってしまっていたり、展示物がちょっと斜めになってたり一部破損していたり、パンフレットが1冊も残ってなかったりと、色々不満はありましたが、全体的に良い展示だったと思います。

ただ、作品としてもう少しコンセプチュアルなものが欲しかったなぁというのが個人の意見。

「地下通路」というところで、場所との意味合いや関連性(キーワードとして「ホームレス」「地下鉄」「公共」など、その場でしか成立しえない作品)、社会と向き合うような作品がもっとあれば嬉しいなぁ。

「市民のためにわかりやすく」は、やりすぎるとアートの質そのものを下げてしまいかねるので、
そこは作業分担して、アーティストは表現を、ディレクターやマネジメントする人が噛み砕いたりわかりやすい仕掛けやアプローチの方法を考えていかないと。

直接的でわかりやすいものは、入り口としては上手く機能しても、やっぱりすぐ飽きてしまいますから。

そんな中で作品の強度、というか本来あるべき強さを兼ね備えた作品をいくつも観れたことが嬉しかったです。


本当、観た方がいいです。

地下鉄大通駅~バスセンター駅、是非歩いてみてください!