はじめに…
ようこそ。この物語に出逢ってくださいましたこと、心より感謝申し上げます。
インディゴチルドレンの私のために、私の元にやってきた彼。今世では親子という形でめぐり逢い、人生で本当に大切なことを氣づかせてくれるため… 私を成長させるため…
としか思えないようなドラマティックなストーリーが次々と展開していきます。
どうぞお楽しみいただけましたら幸いです。




 

" Transit "

第1章 ㉕

【区切り、そして新たなる決意】

  

 

高校を卒業したものの、 

まだ進路は決まらず、

もう一つ、大学受験が残っているのだ。 

 

 

 

沖縄に卒業旅行〜虫とりに行くというので、

受験を条件に

旅行代を出してあげることにしたのだ。 

 

 

 

入試前日に私も一緒に沖縄入りした。 


まずはホテルに荷物を置いて、

大学を見に出かけることに。

首里城の隣にあるのか… 

 

 

 

沖縄が氣に入ってしまい、

もしも合格してしまったら

それもアリなのかなぁ…なんて氣持ちも。 

 

そんなことになっても慌てないように、

と一緒に来てしまったのだ。


 

 

大学に着いた途端に、

私も、彼も、多分同時に、

ココジャナイ 。。。 と感じてしまった。 

そしてお互いにそう感じていることがわかった。

 

 



 

「とりあえずさ、

  ここまで来たからには

  全力で試験受けてね。」 

 

 

  

「もちろん、合格するために受けるよ。」 

 

こういう強氣な発言は藝大の時はなかったなぁ。。


 


私達は一通り首里城を見学して

帰りに実技試験に使う道具(バケツ)を買ってから

ホテルに戻った。 

 

 

 

明日の準備(実技)をしてご飯を食べに

外に出かけたが終始リラックスしていた。 

 

 


本番の朝、

彼は実技道具を持って大学へと向かった。

緊張する様子は全くなく、

私も夕方までのひとり時間を

楽しむことにした。

お土産を見て回ったり、お茶したり…

久々にのんびりと無計画で氣のむくままに。 





 

 

1日目の試験からホテルに戻ると、


「合格だよ。絶対に。」 

 

 

「何そんなに強氣なの?

 最後までわからないじゃない。

 論文も面接もあるし。

   後期は合格者も数名だよ。」

 

 


「だから僕が合格するよ。 

 悪いけどレベルが違いすぎる。 

 時間も余りすぎるし、

 藝大受験とは違いすぎる。」 

 

 

 

私はこの強氣すぎる発言に

高校受験の時を思い出していた。

が、結果が出るまではわからない。 

 

 

  

2日目、実技の続きと、論文、

そして面接。  

 

 

私は一足先に東京に戻り、

彼は、試験終了後はホテルに戻って、

明日から一週間、沖縄をあちこち、

満喫する予定だと。 

そのままホテルを取ってあげるという

私からの優しい申し出はあっさりと断り、

琉球大学の大学生2人と虫とり(ムカデ探し?)

に行くというのだ。 

沖縄にしかいないムカデ??? 

 

  

会ったこともない人と知らない土地で

一緒に虫とりだなんて、

と初めは許可しなかったのだが、

埼玉出身の琉球大学生で身元も大丈夫だからと、

以前から虫のことで何度もやり取りしているし、

2、3日は一緒だが、あとはひとりで

レンタサイクルで虫探しをする予定とか…

テントに寝るのだとか…

バックパッカーで海外じゃないのだからと。。。

 

 

 

あり得ないガーン

話をしていると理解不可能で

頭がおかしくなってしまう。。。 

 

とりあえず毎日生存確認のために

LINEして写真を送ること。

と約束をして別れたのだ。




私は東京に戻り、

とりあえず試験は無事に終わり、

実技は時間が余りすぎて、

これでもか、というくらい描いたので

絶対受かるよ! 面接でも褒められたし。

と更に強氣だった。




早速次の朝、ホテルをチェックアウトして、

彼の卒業旅行という名の沖縄虫探しの旅が

始まった。 

 

琉球大学生たちとは無事に合流し、

彼らの車で遠くまで出かけたそうだ。

念願のムカデも見つけたと、

ご機嫌なLINEが入った。 

 

  

 

その後は本当にレンタサイクルで

あちこち出かけていたようだ。 

とりあえず毎日LINEが入るので

無駄に心配することは辞めて

自己責任で楽しむよう伝えた。 



こんな写真が送られてきた。


本当にテントにガーン 

毎日シャワーは浴びれたようでホッとした(笑)




一週間ほどの沖縄の旅を楽しんで、

無事に東京に戻ってきた。 

 

  


そしていよいよ沖芸の合格発表が

明日なのだ。 

 

 

改めて試験のことを聞くと、

実技は得意なモチーフだったから

ノリノリで描き込んだらしい。 

周りを見ると上手いと思う人が一人も

いなかった、というのだ。

(藝大の時はみんな上手いのが当たり前だとか)


論文もスラスラと書けたと、

あくまで本人の自己評価だが。 

  

 


合格発表… 

ドキドキしながらネットの発表を待った。 

 



「合格だ!」 


「ホントだ〜 よかった〜 凄〜い」




少しすると、ピンポーン。 

 

 

 

合格通知が届いたのだ。 



 

コレを持って高校に行ってくる、と。 

担任の先生に浪人すること話してくる、と。 

   


「浪人して来年もう一度、藝大受験するから。」 

 

  


あれから初めて、本人の口から

はっきりと言った。



何かはわからないけど、

彼なりに、沖縄で一人きりになり

色々と考えて整理したのだろう。 

 

沖芸受験も決して手を抜かず

描いたことだろう。

合格しても行かないと決めていたからこそ、

絶対に合格することが必須だったのだろう。

氣持ち新たに氣持ちよく浪人生になるために。 

 

  

 

私も清々しかった。 

有難い結果に感謝して、

辞退届を提出した。 

 



さぁ、私も来年に向けてがんばろ!

 

 


 
つづく。。。 
 
 
  
 

à bientôt!ウインク