若い人はあまりご存知ないかもしれませんが、尼である瀬戸内寂聴さん。
『現代語訳 源氏物語』というとわかるでしょうか
そうこの方は、尼でもあり小説化でもあるんです。
京都嵯峨野に「寂庵」と名づけた庵に居を移し、毎月一回開かれる
法話は多くの人が聴きに来られるそうです。
そんな寂聴さんも今年で89歳
去年の11月に背骨を圧迫骨折し、今は自宅で療養されています。
本来なら、これまでのように現地に飛んで行って慰問をしたいと
おっしゃっていましたが、今の状態では無理ということで、
被災者へのメッセージを京都新聞に寄せられました。
少しご紹介してみたいと思います。
一瞬にして、永い歳月えいえいと積み上げてきた家も財産も全て失い、
愛する家族を目の前でさらわれた人々の絶望を想いやると、痛ましさに
身も心も凍ります。
体の動かないわが身が腹立たしく、私は悶々と悩み続けました。
そのあげく、ふと気づいたら、私の体調は変化していたのです。
(中略)
「無常」とは、同じ状態は続かないこと、私は法話のたび、話してきました。
その通りです。
今、生き地獄のどん底の状態の日本も東北の被災者の方々も、
このどん底から、気がつけば、変化していたと気づく日が必ず訪れる
はずです。
これだけ国民のすべてが心を一つにして頑張っている努力が
報われないことはないと、希望を忘れないでください。
私は体がきくようになれば、何でもして少しでも役に立ちたいと
切実に思っています。待っていてください。
というメッセージ(一部)でした。