身の危険を感じたら一目散に逃げろ的なことをケンヂが言ってた気がしたので、我々は下山を決めた。
(あ、先頭にいた俺と服部で勝手に決めたんだった。)
というか、一個前の男だけのパーティーが引き返してきて、軽く話をしたら、ここが潮時だな、と思った。後ろがもはや、ついてこれてない。
三秒で決めた。
今でも正しい判断だったと思っている。
僕的には体力的には余裕があったので、気合で頂上までいける気がしていたのだが、帰ってこれる自信はなかった。
引き返すと決めたら、一気に緊張の糸が切れてしまい。テンションをあげてしまった。
須走下山道は、火山灰の一本坂。
字のごとく、全力で走って降りてしまった。
これにより、酸欠と、今現在のふくらはぎの軽い肉離れにつながる。
車に戻ると一目散に着替えて、ロキソニンで酸欠による頭痛をドーピング。
車の中に、僕が途中で着替えるつもりだったアンダーシャツ二枚とタオル三枚が見つかる。
そして、睡魔に落ちる。
挑戦は失敗に終わった。
挑戦中は必死だから割と楽しかった。
帰りもまた来ればいいやと、僕はけろっとしていた。
さて前置きはこの辺にして、
パーティーとは非常に難しいものであるとつくづく思う。
いるんな人がいる。それが一致団結して、同じ目標に向かう。しかし、己の身も大事にしなければならない、他の人も気にかけなければならない。イライラするような声をかけてはならない、あるときは謙虚にあるときは意思を強くおさなければならない。一人よがりだと精神的につらいが、依存しすぎても迷惑をかける。
それが団体行動なんだなぁ、と思う。僕は昔から団体スポーツをずっとやってきたが、本当に集団行動って難しい。
特に、頭がかっちかちの価値観で固まってくる大人たちの集団は更に難しいんじゃないかな。
そう思う。でもそこで切磋琢磨し、議論し叩きあって泣かせあって励まし合うこと、これが人生で一番面白いことだと僕は思っている。
なぜが、話がえらい方向にいったが、そんなことを考えた。
これは前回高山病で死んだときの絵