腫瘍ブログ 犬の皮膚肥満細胞腫② | 経堂どうぶつ病院

経堂どうぶつ病院

当院から様々な動物の病気や日々の生活に関する情報を発信出来たら幸いです。

こんにちは、経堂どうぶつ病院です。

 

先週に引き続き今回は

 

肥満細胞腫の診断!!

 

についてお話しします。

 

 

 

肥満細胞腫の診断は

 

針生検による細胞診によって行われます。

 

細胞診は腫瘍に直接針を刺して

 

針先に入ってきた細胞を染色し観察する診断方法です。

 

他の細胞と異なり

 

肥満細胞は特徴的な顆粒を細胞の中に持っているので

 

比較的容易に診断できます。

 

こんな感じです。

 

ただし

 

顆粒が少ないタイプ採取される細胞が少ない

 

など診断に至らない場合は組織生検をする必要があります。

 

検査により肥満細胞腫と診断した後は

 

進行度評価(ステージング)を行います。

 

進行度評価の要点は

 

肥満細胞腫が局所(発生した部分だけ)に留まっているのか

 

それとも

 

所属リンパ節またはそれを越えて転移しているか

 

を確認することです。

 

ほとんどの転移性の肥満細胞腫は

 

まずリンパ節に転移し

 

その後に肝臓や脾臓に転移します。

 

リンパ節への転移がなく、肝臓や脾臓に転移することはまれと言われています。

 

 

 

いかがだったでしょうか?

 

今回は院内で肥満細胞腫を診断する過程をご紹介しました。

 

次回は肥満細胞腫の治療についてお話しします。

 

記事担当 院長 元風呂