まだ寒い日が続いている、週末も真冬並みになるらしい。
市内各地の梅は終盤を迎えているかどうかは知る由もないが、
これで早咲きの桜も予想より遅れそうな気配だ。
数日前の日曜日、智恵光院今出川通りを東に向かっていると、
京都市考古資料館の立て看板。


NHK大河ドラマ『光る君へ』の盛り上げ企画?
テレビメディアとは十年以上前に基本バイバイして、
何よりもNHK大河ドラマを一度も観た事も無いが、
時間に少し余裕があったので立ち寄る。

 

 

 



近くの北野天満宮では梅花祭が行われているので、
女性の来訪者は勿論多かったが、
中高年以上の男性もよく見かけた。

 

 




所狭しと紫式部が生きた平安中期の生活を、
地中に埋もれた遺品の数々と邸宅跡による、
より「源氏物語」の陰影を深くする企画展。

 

 

 

 

 











 

 

 

 

 

 

紫式部の最大の擁護者と言われている藤原道長。
土御門殿(つちみかどどの)は藤原道長の主要な邸宅で、
現在の京都御苑の京都大宮御所北側部分にあたる。


道長の姉である東三条院詮子や、娘の藤原彰子の御所となり、
特に彰子は出家後、この邸宅にちなんで上東門院を院号とし、
また東には法成寺(ほうじょうじ)が建立された。



法成寺は藤原道長によって創建された摂関期最大級の寺院。
道長の主邸・土御門殿の東にあたる鴨川西岸に建てられ、
京極御堂とも称され、道長の異称「御堂殿」「御堂関白」や
その子孫御堂流の由来になるらしい。



 

 

 

 

 

現在の京都市上京区東端、荒神口通寺町東入の路傍、
鴨沂高等学校校庭の塀際に法成寺跡を示す石標が立てられている。

この図から当時主流だった浄土式庭園の伽藍配置が窺い知れる。
極楽浄土の世界を再現しようとしたため金堂や仏堂をはじめとした
寺院建築物の前に園池が広がる様式。

 

 

 




これはアスニー京都に展示されている法成寺?
手前が鴨川で後方が土御門殿の模様。

 

 



道長の長男であった藤原頼通の住居であった高陽院(かやのいん)は
西洞院大路の西・大炊御門大路の北に位置する南北4町の大規模な邸宅。
現在はその庭園一部が丸太町通りの印刷会社の屋上に再現されている。

こちらの出土品は数多く、
状態も驚くほど、









元々は高陽院は平安京にあった里内裏のひとつ。
当初は桓武天皇の第七皇子・賀陽親王の邸宅で、
その後所有者は転々とし、賀陽院(かやのいん)とも言う。

 

 

 

 

 



保安元年(1021年)摂政関白・藤原頼通は、
この地を大いに気に入り、敷地を倍に広げて豪華な寝殿造の建物を造営し、

 

 

 


『栄花物語』によれば寝殿の四方を池に囲まれた造りだったと伝え、
藤原実資の日記『小右記』にもその豪華絢爛な様が描かれているらしい。


この座り心地の良さそうな高陽院出土礎石は、
浸食から見て海岸部から運ばれてきた和泉砂岩。








源氏物語の『若菜上』で朱雀院が出家した御寺は仁和寺と言われていて、
その出土品、その当時の発掘調査の報告なども、



 

 

 

 

 

 

 

全く知らなかったが、
『源氏物語』に登場する「斎宮」邸宅跡は、
平安時代の平安京右京三条二坊十六町にあたる、
現在の地下鉄西大路御池駅近く、

私が頻繁に通る西京高等学校辺りにあったそうだ。






光源氏のモデルになった源融の邸宅跡と推定される遺跡の
発掘調査成果も紹介されていた。


しかし何と言っても興味深いのは、
光源氏のモデルとなった源融の住居跡。
「六条院」は『源氏物語』少女帖に登場する架空の建築物で、
光源氏はここに主だった夫人たちと子女を住まわせた邸宅群。
実際の建築モデルとしては河原院を始め、
東三条殿や土御門殿など実在した邸宅が挙げられらしい。

河原院は京都六条にあった源融の邸宅で、

「六条院」を彷彿させる要件が揃っていると言われている。
南は六条大路、北は六条坊門小路、東は東京極大路、
西は萬里小路に囲まれた4町広大な敷地で、
「六条院」で表した辰巳の町が春、丑寅の町が夏、未申の町が秋、
戌亥の町が冬によく符合し、実際にイラスト化、模型となって存在する。
又、桂離宮の造営は『源氏物語』、「六条院」に多大なる影響を受けた、
八条宮智仁親王が渾身を込めて完成させた作品と言われている。

令和6年2月17日(土) ~  6月23日 (日)
(開館時間)   午前9時~午後5時 ※ 入館は午後4時30分まで
(休  館  日) 月曜日(祝日の場合は開館、翌平日が休館)
又、記念講演も開催予定。
4月20日(土)山本雅和「源融の邸宅跡か⁉ -平安京右京三条三坊五町の調査-」
6月 8日(土)鈴木久史「瓦が語る源氏物語の舞台-宮・京・寺院-」

詳しくは、