岩戸落葉神社は京都市街地から周山街道を北上した山間部、
清滝川・岩谷川・笠谷川が合流する小野郷に、
ひっそりと佇む小さな神社。


数日前に樹齢400年以上と云われる大銀杏が散り始め、
境内を黄金色に染め出したと聞いていた。



一般的には仁和寺の先の福王子神社を北上し、
紅葉名所の神護寺、西明寺、高山寺経る観光コースの外れに位置する。
そんな事もあり道は狭いが鷹峯先の京見峠を経ての裏道を選んだ。











まだ苔の緑が確認出来るので、
ふかふかの黄金色の絨毯になるまでは、
後十日以上は掛かりそうだったので、
もう少し後の方が良かったとも思った。










その景色はある程度知れ渡っているので、
撮影に訪れて方も多くは無いが、そこそこの撮影者を見かけた。











岩戸落葉神社は小野上村の氏神である「岩戸社」と、
小野下村の氏神である「落葉社」の2社が、
鳥居と拝殿を共有して並んで祀られてる事から、
岩戸落葉神社と呼ばれているらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 



岩戸社のご祭神は天御衣織女稚姫神(あめのみそおりめわかひめのかみ)、
弥都波能売神(みづはのめのかみ)、瀬織津比咩神(せおりつひめのかみ)の
3柱の女神が祀られており、いずれも水に関わる神として知られてる。











落葉社のご祭神は落葉姫命(おちばひめのみこと)が祀られている。
落葉姫命とは『源氏物語』第39帖「夕霧」の登場人物、
源氏50歳、夕霧29歳の秋から冬にかけての話。
朱雀院の女二の宮。柏木の正室。柏木の死後、夕霧の妻となる、
落葉の宮(おちばのみや)とされており、
この小野郷に隠棲したことに因んで祀られたとされて
架空の物語の登場人物をご祭神として祀るられるのは、
たいへん珍しいらしい。

 





機会があれば、もっと寒くなり木々が葉を落とし、
境内一面がイチョウの葉で覆い尽くされ、
それはまるで黄金色の絨毯で敷き詰められたかに見える、
そんな晩秋の小春日和に訪れてみたい神社であった。