先日大原の里の寂光院に伺ったその帰り、
さほど遠くない古知谷まで足を延ばす事になる。
4時までの開門時間には間に合わないが、
阿弥陀寺の竜宮門、参道の山道、
出来れば実相の滝まで辿り着ければ、
竜宮門というのは二階建ての上部に屋根をもつ楼門の一種で、
1階部分が漆喰塗籠めの袴腰になっている、
中国・明朝の建築様式、一見して唐風と分かる。
京都市内ではあまりお目に掛れないが、
三十三間堂向かいの法住寺、伏見の長建寺、
深草の伊藤若冲ゆかりの石峯寺、
宇治の興聖寺など、探せば結構ある。
いつもの御託を並べる前に先を急ぐ。
前回来た時にも感じたが、参道の山肌がかなり荒れている。
伐採されたスギの木も多いが、根こそぎ倒壊したスギも多い。
山肌の若いスギは建築材用として植林されたと思われるが、
道路沿いの大きなスギは随分前に植えられもので、
参道の為、それなりに景観と共に役割があったと思う。
所々で根共々地肌が隆起し、もっと土地が痩せると倒壊の運命。
この石垣は?
おそらく昔あったお寺の施設跡?
何度も言っているが、
この数年日本の梅雨は以前の梅雨と大きく変化してしまって、
この季節を梅雨と言っていいのか、疑問に感じている。
おそらく何十年前の梅雨の時分のこの参道は
今では考えられない位苔生していて、
上がるのに相当苦労したと思う。
特にこの辺りから傾斜がきつくなるので、
太ももとふくらはぎに力が入る。
ようやく実相の滝が見えてきた。
今回はペース配分を考えて登ってきたので、
ここまで休憩する事は無かったが、
持参したお茶を飲み干し、一息。
別名十三の滝とも呼ばれる小滝群。
梅雨らしい雨が降らなくてもこの苔。
昔の梅雨、以前の様な雨量が降る続けば
どれだけの光景が見れるかと思うと眩暈がしそうだ( ´艸`)。
異常気象がほぼ定着しつつあるご時世、
無理かもしれないが、そんな機会が巡ってきたら、
是非とも駆け付けたい、下山。
私のこのような趣向では特別かも知れないが、
阿弥陀寺は有名なミイラ佛よりも、
最近は山野草(さんやそう)の咲くお寺として、
花好きの女性の注目度が高まっている。
特に有名なのが5月に咲く九輪草(クリンソウ)。
春夏秋冬の季節を通じて珍しい山野草をおよそ80種。
シライトソウ、コマクサ、エンビセンノウ、
キリシマヤツシロソウ、サギソウ、10月にはダイモンジソウ、
1月と2月は拝観停止となるが、可憐な花好きにはお薦め。
但し、竜宮門横の駐車場から約700メートルの参道足元は、
お世辞にも良いとは言えないので、
出来ればグリップに効いたスニーカーがお薦め、
もしくは登山靴、それと飲み物もお忘れなく( ´艸`)。