一昨日は京都は大雨になっていた。
すでに紅葉待ちになっている感のする市内。

 



二条駅のコープが現在建て替えをしているので、
最近は平野神社の北のコープをたまに利用している。











その参道、ピンクの芙蓉に昨日の雨の雫。











取り立てて何の期待もせず、境内を散歩。







やはり一昨日の雨は強く、
大地を叩きつけるような雨も降っていたのだろう。



薄紫の花が無惨にも全て打ちしな垂れているが、
数日もすれば復活する事だろう。











不思議な事に平野神社の桜の木々は、
どこよりまして苔、蔦が絡まっている。










そして細長い白い花を咲かすフウラン(風蘭)が纏わりつく。











紅白の酔芙蓉が寄り添う。











数年前、平野神社で初めてピンクの彼岸花に遭遇した。
その後も白の彼岸花。すでに枯れしまっていた。





平野神社の桜苑は西大路通りに面しているので、
決して緑の環境に恵まれているものでは無いが、
私にとっては昔観た『緑の館』を思い起こさせる。

 



主演はオードリー・ヘプバーンではあるが、
彼女の作品としては一般的は知られていない。
どちらかと言うと、相手役のアンソニー・パーキンスの幻の作品。
原作はイギリスの恋愛小説だが、
舞台となったジャングルに登場する若き革命を目指す、
美しい若者のアンソニー・パーキンスと、
森の妖精の様なオードリーの恋愛は幻想的で美しく悲しく、
この世のものと思えないほどの映像美。
1959年に公開されているが、オードリーの作品としては評価は低く、
私自身リアルタイムに見る事が出来なかったが、
その10年後テレビで放映され思い出深く、
もう一度観てみたい作品のひとつ。

この作品も動画配信サービスを隈なく探したが見つからず、
最近利用しだしたツタヤディスカスにも見当たらず、至極残念。



クジャクアスター?











フウランの花の時期は過ぎているが、止めなく忘却の涙が滴り落ち、












秋海棠も心なしかしな垂れる。












桜苑のシンボルのしだれ桜の足元には眩い黄色の彼岸花!












その黄色の彼岸花には追憶の涙が滴り落ちる。












神門を潜り社務所横の十月桜はすっかり涙に包まれているようであった。


アンソニー・パーキンスはヒチコックの映画『サイコ』のせいで、
日本ではサイコパスな俳優として認知されているが、
当時のコアにアイビー・ルックを追求していたバカな人間にとっては、
お手本になるバイブル的な俳優だったような気がする。
ファッションのアイビー・ルックはアメリカの名門大学、
北東部に位置する8つの私立大学からなる連盟、
アイビー・リーグと称され、
ハーバード大学、イェール大学、プリンストン大学、
ペンシルベニア大学、ダートマス大学、ブラウン大学、
コーネル大学、コロンビア大学の学生たちの、
トラディショナルを基本としたカジュアルなカレッジスタイル。

 



アンソニー・パーキンスはコロンビア大学出身。
ジェーン・フォンダと共演した『のっぽ物語』が
最もアイビーファッションが披露された作品だが、
普段の服装は質素で飾らないカジュアルなモノだったので、
日常生活のスナップ写真が貴重なモノだった。
作品は『サイコ』以外はあまり高い評価を受けなかったが、
イングリッド・バーグマン、イヴ・モンタン共演の『さよならをもう一度』
ルネ・クレマン監督の『パリは燃えているか』、
あのフランツ・カフカ原作の『審判』の主演も務めている。
1968年の『かわいい毒草』もなかなかフェティシズムで風変わりな傑作。
1970年代の頃からハリウッドの体質を嫌い、ヨーロッパに拠点を移すと、
ファッションも長髪、ヨーロッパ風になり、
その頃は日本でもアイビー・ルックは下火になり、
ロン毛にジーンズ、パンタロン、ヒッピー、ヨーロピアン。
しかし私にとってはアンソニー・パーキンスは永遠のアイビー。