祇園に伽藍を構える建仁寺方丈の潮音庭は、
いつも一足も二足も遅く紅葉の時期を迎える。
建仁寺塔頭の正伝永源院が、
秋の特別公開をやっているので二日前に伺ってきた。
やはり微妙な紅葉である。
織田信長の弟であり茶人の織田有楽斎が再興した「正伝院」と
熊本藩主・細川家の菩提寺「永源庵」が明治期に合併し、
現在の「正伝永源院(しょうでんえいげんいん)」となる。
客殿の前には池泉式庭園が設けられている。
旧正伝院庭園は江戸時代『都林泉名所図会』で紹介され程だったが、
現在の池泉式庭園はその当時のものでは無いらしい。
その奥に国宝の茶室「如庵」の写しが復元されている。
元々は織田有楽斎によって
正伝院が再興された際に造られた茶室であるが、
明治6年に正伝院は永源庵跡地に移転し、
その際に祇園町の有志に払い下げられ、
その後東京の三井本邸、神奈川県中郡大磯、
現在は愛知県犬山市の有楽苑に移築され、
昭和26年に国宝指定を受けている。
この茶室「如庵」の写しについては、
改めて当ブログ「京の茶席」で後日紹介したいと思っている。
この様な状況なので客殿からの紅葉光景は期待できないので、
お寺の関連ホームページよりの画像を紹介・・・↓
こんなにも綺麗に人物も映り込まないで撮るのは素人では無理( ´艸`)。
方丈の客殿は基本書院造りと思われるが、
特に奥の八畳間の造りが渋い!
襖絵と障壁画の色調が整えられていて、
華美な装飾は排除され、造営者のセンスが窺い知れる。
金箔もこの様に落ち着いている。
花頭窓からの採光も時間の移ろいを感じるように設計されている。
窓の上部には丸に桔梗紋、沢瀉紋が透かし彫りされ。。。
比較的小さなお寺であったが、
織田有楽斎のセンスが息づいているのか、
端々にアッと驚く造作を見つけることが出来た。
一つ残念だったのが、
京狩野初代・狩野山楽(1559〜1635)蓮鷺図が
通常ならば方丈襖絵で観れたのだが、
この時は元首相・細川護煕氏筆の襖絵だった。
仕方が無いのでパンフレットの画像でご勘弁!
正伝永源院の特別公開は12月5日(日)まで。
おそらく今日ぐらいから建仁寺方丈の潮音庭も見頃を迎えている頃、
こちらも残り少ないですが、ラストチャンス!
建仁寺の境内は比較的紅葉は少なめだが、
放生池周りには暖かい落葉が敷き詰められていた。