どうやら京都市全域の紅葉が概ね見頃を迎え、
一段と観光地が慌ただしくなろうとしている。
二日前に訪れたのは洛北の紅葉の名所曼殊院。
野暮用を済ませてやってきたのは、
4時は過ぎていた。
イチヨウの葉が白壁塀辺りを覆う頃、見頃を迎える。
その前の弁天島の弁天池も紅葉に覆われ、
4、5年前に庭園を拝見した事があったが、
それっきりだった。
拝観受付の楓が最も赤く紅葉していた。
案内を見ると夕暮れからライトアップをしていて、
それもこの年で最後になるらしい。
紅葉ライトアップは基本うまく撮れないので興味が無かったが、
「最後」と聞くとついつい浅ましい気持ちが働き、
ライトアップされる時間を伺い、
近場の紅葉名所で時間を潰す事にした。
大書院と小書院の前に開ける遠州好みの枯山水庭園。
しかし難儀な事に、
書院周りに張り巡らされた縁側にはびっしりと人影?
鼠が入り込む隙も無く!
本当の目的は庭園の全体像を写す事と、
正確な構成、詳細の言及であった。
その一つが左手の梟(ふくろう)の手水鉢。
ライトアップを楽しまれているお若い女性には、
"このおっさん何を撮っているの"
と思われたかもしれないが、ともかく目的に近づきがたい。
"二頭追うものは一頭も得ず"を又もや実感する( ´艸`)。
智仁親王のご次男であり智忠親王の弟宮である良尚法親王は、
曼殊院造営の際、
桂離宮の最終造営者の智忠親王に多くの影響を受けていて、
至る所にその痕跡を残している。
それが小さな小さな桂離宮と言われる所以である。
大書院前の鶴島には、
飛翔する鶴が象られた樹齢400年の五葉松が植えられ、
その根元に曼殊院型灯籠が立つ。右手の灯籠。
曼殊院型灯籠は別名クルス灯籠、キリシタン灯籠とも呼ばれいて、
母からの贈り物と言われている。
縁側の拝観者が立ち去るのを待ちながら、
大書院、小書院、竹の間、虎の間、孔雀の間の、
仏像、美術品等を再観覧して時間を潰す。
小書院前の亀島、
左奥には滝石の立石、橋の石組。。。
ようやく縁側の人が途絶え、撮りやすくなるもの、
その時点で身体が秋の風に晒されギブアップ。
敷地内は工事中の所もあり、依然と拝観順路が違っていた。