北野天満宮の梅の実の採取が始まった。
梅の名所で知られる境内には約1500本の梅の木があり、
1週間ほどかけて例年2トン程度の実を集める。
塩漬けにして干した大福梅は年末に授与される。
今年は粒も大きく育ち、採取は例年よりやはり10日ほど早い。


昔は決まって梅雨の季節はジメジメムシムシ、
一年の中でもっと鬱陶しい季節だった。
それ故にいつも早く過ぎ去ってほしいと願っていたのだが、
日本庭園の苔はこの時期に最も美しく色彩を放つので、
年を取って庭園を撮影するようになり、
梅雨の雨を逆に恋しくなりだした( ´艸`)。

苔庭を世に知らしめた苔寺こと西芳寺だが、
このお寺は今では京都人でも簡単に拝観する事は出来ない。
私も50年ほど前に見たはずだが、緑の苔より、

観光客の人だかりの黒い頭しか記憶にない( ´艸`)。



そう云う事で凡人が都合よく拝観できる苔庭は、
嵯峨野の祇王寺となる。













梅雨入りしてから数日経つので、
十分に水分を含んでさぞかし苔が美しいのでは?













厚い緑のベルベットに覆われているか?













『平家物語』に登場する白拍子姉妹・祇王と
祇女ゆかりの寺として知られている祇王寺は、 
かつては「往生院祇王寺」とも云われたが、
幾度かの荒廃、廃寺の変遷を経て、
現在は真言宗大覚寺派の塔頭尼寺。

 










この庭園は禅宗などの仏の教えを意味する造作は無く、
荒廃していたこの寺を、近年尼寺として境内が整備された時期に、
この緩やかな傾斜地に樹木、苔、遣水、築山を構成して、
特に苔の生育に特化した寺として知られている。











それでも廻り込むと、苔の生育の不十分な所が目に入る。












ヒノキゴケ、ホソバシラガゴケ、オオシラガゴケ、ギンゴケ、
シノブゴケ、タマゴケ、フデゴケ、ヤマトフデゴケ、ハイゴケ、
コウヤノマンネングサ、カモジゴケ、スギゴケ、ナガエノスナゴケ、
カサゴケ、ミズゴケなど、30種ほどの種類が育つと云う。











祇王寺は何度か伺っているが、
その中ではまだましな方!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



一時苔が枯れてしまって、
全体が茶色く、禿山のようになっていた事があった。












ひっそり佇む茅葺屋根の本堂。













苔にとっては少しフライング気味だったかもしれない!





















土蜘蛛灯籠の周りに、いつも季節の草花が咲いているが、
苔が主役なので名前を知る由も無い。



昨日はよく降っていたが、当面は降らない予報。
最近は梅雨前線が上下に大きくブレてしまうので、
期間中でも一週間雨降らず、その上カラッとす事もあり、
梅雨の名称を返上しなくてはならない事態になりつつある。











目が醒めるような苔庭に遭遇するには、
只々雨を待ち、天気予報と睨めっこするしかない( ´艸`)。