この時期、洛北の深泥池には自生の白い杜若が咲く。
深泥池の呼び名はみどろがいけ、みぞろがいけ、
古い表記で深泥ケ池と書かれる事もある。

 


水深2メートルほどだが、
底なし沼と呼ばれる程に泥が堆積していて、
最深部は15メートルに及ぶ事から、深泥ケ池の地名になったらしい。












すでに収穫間近のジュンサイの浮葉が辺り一面に覆っていた。








この池を知ったのは二十歳で京都に移り住んだ50年前だった。
そして西陣生まれの友人から深泥ケ池の心霊話を教えてもらった。



-小雨降る深夜遅く、深泥ケ池近くで一台のタクシーが、
髪の長い白いドレスの女性を拾った。行き先を聞いて車を走らせ、
少し経って室内ミラーを覗くと、そこには女性は映っておらず、
慌てて停車して後部座席を確認すると、その女性の姿は無く、
そのシートはびっしょりと濡れたいた。-


この話の詳細は時代と共に変わっているが、
大筋は似たような心霊内容だ。

この手の心霊話は伝える側が大袈裟に盛るので、
私は基本的に信じていない。
その証拠に昔、某旅行雑誌で京都の心霊スポット特集で
深泥ケ池を取り上げ、知り合いだったライターが
実際の言い伝えより少し大袈裟に表現をしていると言っていた。
それ故に3,4年前にここを紹介した時に、
すでに京都の最強の心霊スポットとして
認知されている深泥ケ池に対して、
実際はそんな心霊とは無縁の風光明媚な池として紹介していた。

ところがそのブログを書いて数日後、
京都新聞に深泥ケ池で謎の水死体の記事。


この写真は5日前に撮影したが、
その二日前に撮影予定で深泥ケ池に来ていた。
その時小雨が降っていたので撮影はしなかったが、
奥の方で白い人影のようなモノがチラッと見えた。

雨でも犬の散歩をしている人はいるが、
その場所はあまり人の立ち入る場所ではなかったので、
不思議に思っていた。

雨が本降りになりだしたので、
急いで深泥ケ池を立ち去ろうとしたが、
そこには白いダウンを着た真っ白の顔の男性が、
池にめがけて釣竿を出していた。
どうも白人男性のようであったが、
傘も差さず雨の中、こんな池で何を釣る?



白い杜若は珍しいが、この日は黄色の杜若?
いや、黄色の杜若は無いと思うので、恐らく黄菖蒲!






この日はもちろん白人男性も雨も降っていなかったが、
数名の訪問者が訪れていて、
その一人の小太りのおばさんがリュックよりオカリナを取り出し、
全く聞き覚えの無い曲を奏でだした。

 



そうすると池の底から重低音「ブオー、ブオー」、
侵略的外来種のウシガエルが鳴き出し、
夕暮れ時のアンサンブルが始まりだした( ´艸`)。





心霊は兎も角、
深泥ケ池には「もののけ」はいそうな気がする。
そして大田神社にも。。。




温暖化は少なくとも桜の開花には好影響?
しかしアヤメ科アヤメ属には良くなさそう。
今年の上御霊神社お堀ののイチハツも、
どうもこの大田神社のカキツバタにも。。。










鳥居前に架かる石橋右側下の小さな石。
この石は「蛇の枕」または「雨石」と呼ばれ、
蛇が枕にしていたと伝える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


すでに陽は落ちだしていたが、
境内の何処からかマンドリンの音色が響き、
グッ・・グッ・・ゴッ・・ゴッとタゴガエル鳴き出していた。