バイデン新大統領の無観衆で異例ずくめ就任式が行われた。
異常、狂気と思われたトランプ政権に鉄杭を打つかのように、
連邦施設でのマスク着用義務化、「パリ協定」への復帰、
WHOの脱退手続き停止、メキシコとの国境の壁の停止など、
トランプ氏の看板政策を全否定し、矢継ぎ早に転換する姿勢を示し、
本来のアメリカらしさが戻ってきそうな期待が持たれている。

トランプ政権の悪夢のような4年間が戻って来ない事を願っているが、
それには弾劾裁判で有罪を受けるのが一番有効とされている。
又、トランプ発言の検証も報道機関により始まっているらしい。

---2021/01/26 07:30朝日新聞デジタル版によると、
「トランプ氏、虚偽や誤解を与える主張3万回超」
米ワシントン・ポスト紙は23日、
トランプ前大統領の過去4年間の発言について、
内容を検証して信憑性を評価する「ファクトチェック」をした結果、
同氏は3万573回の虚偽や誤解を与える主張をしていたと報じた。
半分近くが最後の4年目に集中していたという。---


多くはTwitterによるものだ。
ところがこんな状況でも、
多くのトランプ支持者は一層狂信的になり、
スマホが創り出す危ない虚構の世界で
反逆の狼煙を上げる危険性も否定できない。
彼はTwitterのアカウント永久停止となったとしても、
スマホの通信機能を使って情報発信を企てるであろう。
しつこい!政界を離れてビジネス界に復帰して欲しいが、
これもまた怖い!


又、中国はパソコンの普及率は低いが、
一説にはスマホ普及率98%と言われている。
それには政府の国家統制、国民の徹底した管理など、
タダ同然の機種代金、超安い使用料にしても元が取れ、
嫌、それ以上に国家にとって好都合。
だから水道もガス、電気が通っていない地域でも、
最新のスマホが提供されるらしい。


私が携帯電話を初めて手にしたのは30年ほど前。
当時は広告代理店のような仕事をしていて、
クライアントからの執拗な要望で持つ羽目になった。
二年ほど使っていたが、紛失した事をきっかけに決別した。
その時点でここまでの進化は容易に想像できたが、
便利、何処にいても連絡が取れる事に居心地の悪い恐怖を覚え、
出来れば持ちたくないと思い続けていた。
しかし3年前、寝たきりの母親の緊急用に所有しているものの、
そのスマホは未だに必要以外は電源を切っている。


私は子供の頃から繁華街で遊ぶのが好きで、
すでに小学生で大阪の梅田界隈、
中学、高校に上がると神戸の三宮、元町と、
不良では無かったが都会をふらつくのが大好きだった。
もちろん尼崎は田舎では無かったが、この時代は公害の町として、
バス通りは排気ガスが溢れ真面に息も出来ず、
市内を流れる河川は虹色のヘドロに侵され、
海岸に地盤沈下で沈んだ工場のそびえ立つ三本の煙突を、
富、繁栄の象徴として教師が胸を張って説くほどの近代工場地帯。


映画、音楽、絵画、ファッションには興味あったが、
大学受験を失敗した頃から初めて文学、詩に目覚め、
これが世の中の流れと逆行する始まりだった。
日本の作家には余り興味が無かったが、
歌人、小説家、劇作家の寺山修司の行動だけは気になった。

 



どこか青森弁のなまりが残る朴訥な喋りだしから、
自身の専門領域に入るや、機関銃のような喋り口は圧倒された。
60年安保、学生運動が吹き荒れ、青年が未来に戸惑う中、
寺山修司の挑発的なメッセージは十分に扇動者たるものだった。

又、若者に対するエールでもあった。

1963年の著作「家出のすすめ」

1967年の著作「書を捨てよ、町へ出よう」

 



寺山修司のデビューは短歌だが、
この世界でも挑戦的で、その後次々と既成概念を破壊する姿は、
NYのアンディ・ウォーホルとダブルものがあった。
最もその才能が発揮されたのが演劇のステージだった。
東京ではすでにアングラ演劇は市民権を得ようとしていたが、
彼の率いる「天井桟敷」は最も前衛的で革新的だった。
実際私はアングラ演劇の独特な共有空間は苦手だったが、
1975年に公演された市街劇「ノック」だけは
その場で体験したかった唯一のアンダーグラウンド演劇だった。
今では考えられないが、一般市民も容赦なく巻き込むハプニング
筋が読めない展開、まさしく革命家が扇動した市街戦。
結局警察沙汰になって幕が下りる。
市街劇「ノック」は寺山修司が率いる市街戦だった?
と云う事は寺山修司は革命家?


「書を捨てよ、町へ出よう」このタイトルを見た時に、
私は小さい頃から町を執拗にふらつき、
勉強もせず遊び惚けていたので、
私の場合なら「町を捨てよ、書を読もう」になるのだろうかとうそぶき、
好きな作家、詩集、哲学書などを読み耽った。

 



もし寺山修司が今生きていたなら、
スマホを捨てよ、町に出よう」とうそぶくのだろうか?


私がもしトランプ氏にだけつぶやき、うそぶくとしたら、
「スマホを捨てよ、バカンスに出よう」
そして永久に戻ってきて欲しくない( ´艸`)。

 


上記の最初の写真は2017年秋に公開された、
時代を挑発した寺山修司の実像に迫るドキュメンタリー映画
相原英雄監督作品『あしたはどっちだ、寺山修司』の
イメージとして使われたいた写真。
すでに上映会は終わっているようですが、
機会があれば、若い方に是非とも見て頂きたい。
そしてその時だけはスマホを家に置きっぱなしに!

 

 


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