今年の京都の紅葉シーズンが始まった早い段階に
清涼寺の弁天堂の池泉式庭園を撮影した。

そして方丈前庭園については、
シーズンが終わった時点、改めて紹介したいと考えていた。
ようやく落ち着きましたので、
ゴソゴソ庭園画像をあれやこれやと。。。



弁天堂の池泉式庭園は作者は不明だが、
方丈前庭園は大名茶人、
江戸期の庭園作家の第一人者の小堀遠州作と伝わる。










若くして千利休に師事、古田織部にも教えを請い、
抜群の美意識を持ち備えた遠州流の祖である。










小堀遠州は南禅寺方丈庭園、二条城二の丸庭園、
金地院「鶴亀の庭」、高台寺、仙洞御所など、
多くは江戸初期を代表する大規模で大がかりな庭園が多いが、
清涼寺の枯山水は極めてコンパクトで端正なデザインである。









通年は奥の紅葉が鮮やかになるのだが、ここも枯れ紅葉気味。

 










門にかけて自然に盛り上がったかに見える築山?











縁側の縦ラインは簡潔でシンプルである。











小堀家には代々受け継がれている「書捨の文」の茶訓が存在し、
「それ茶の湯の道とても外にはなく 君父に忠孝を尽くし
家々の生業を懈怠せず 事には朋友の交わりを失う事なかれ
春は霞 夏は青葉がくれの郭公(ホトトギス)
秋はいとゞ寂しさまさる夕の空
冬は雪の暁 いづれも茶の湯の風情ぞかし。。。」
遠州は大名茶人の中でも最も多くの茶会を催した人物で、
この文面からもその人となりが窺うことが出来る。






苔地に方形の飛石、











壁沿いの植栽の奥には石が配され、





方丈前庭園には神仙蓬莱思想、仙人・蓬莱・鶴亀、
又は禅お教えを抽象的に見立てる表現、
一概に断定する事は難しく、時代、環境により紆余曲折。。。

 


彼の多くの代表作にも見立て表現がなされているが、
この清涼寺の枯山水平庭は遠州若かりし日の作品か?
そんなこだわりの無い、四季折々の自然を取り入れ、
彼の人となりが素直に表現された庭のように思える。









赤い実の千両は
秋になると只々赤くなることを目指す哉。

 

 


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