暑い日が続いている。
昨日も今日も36℃を越している。
明日は37℃?この一週間の予報は全て36℃以上!
永遠に続くのか猛暑日?そんなことはないだろう(笑)。

4、5日前の曇り空の日に松尾大社に伺っている。
何故?念願の重森三玲晩年の庭園を撮影するため。

松尾大社の松風苑は
この4年間に何度か挑戦しようと試みたが、
ことごとく失敗している。
まずこの庭園は79歳で亡くなられた重森三玲の、
最も理解しがたい過激で前衛的な手法で作庭された、
完成を見ずして、この世を去る事になった遺作でもある。

元々前衛生け花を主宰していたので、
前衛的な部分はどの作品にもみられるものだが、
死を意識していたのか、それまでのどの庭園より、
題材、手法、素材、組み立てにその意思を感じられる。
それ故に撮影するのに相当の力量が必要!
しかし力量が無い私なので、自然を利用するしかない…

 



季節はどの時期が良いかと考えると、
メインの「曲水の庭」はサツキが植栽されているので
5月と思いがちだが、実際はサツキの赤が強調されすぎる、
秋冬はどうしても草木が枯れ気味。
結局草木が最も水分を含み、生き生きとする梅雨明け。
との事でやって来た、薄い雲のかかる松尾大社。
光加減も庭園撮影にはベストコンディション。



早速社務所で受付をして、
松風苑の入り口までたどり着いた。

 


パンフレットを頂戴し、「曲水の庭」に足を踏み入れるも、
直ぐに違和感を感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



葵殿・神像館の修理工事のため「上古の庭」、
「即興の庭」は工事用足場組がなされ、撮影はほぼ無理!














社務所の巫女さん、先に言ってよと思ってみたが、
平生撮影でお世話になっている松尾大社、
そんなケチな事は申せません(笑)。

 

 

 

 




今年の9月中旬位までかかるそうだが、
楽しみがまた増えたと思えば、何てことない。



気を取り直して、
離れてある「蓬莱の庭」へ…



松風苑は一般的には三つの庭園より成るされているが、
厳密に云えば、「曲水の庭」「即興の庭」「上古の庭」、
そして「蓬莱の庭」。

しかしこの「蓬莱の庭」は更に厳密に云えば、
病に倒れた重森三玲が池の形を指示し、
その後、長男の重森完途(かんと)がその遺志を継いで完成させた、
最初で最後の親子合作の庭園と言われている。



重森三玲の作品の多くが枯山水だが、
中でも「蓬莱の庭」は池泉を取り入れ、
その周りを一巡できる池泉回遊式庭園に仕上げている。
極めて珍しく、私の知っている彼の作品の中では唯一。












当然、蓬莱神仙思想に基づき作庭されていると思われるが、
蓬莱とは不老不死の仙界の事なので長寿の象徴である、
鶴と亀にまつわるものが表現されているはずだが?







中央に龍門瀑(りゅうもんばく)が見える!
中国の黄河に実際にある「龍門の滝」を模した滝石組。

 


「龍門の滝」には有名な故事があって、
激しい流れでほとんど魚が登れないけど、
登ることができた鯉は龍になると云うもの。

 

 

 

 

 

 

 

 






松風苑に用いられている青石は
四国・吉野川産の緑泥片岩が約200個余り。













池に浮かぶように立つ青石は、
仙界である蓬莱の島々…










途中建物と池のスペースに趣の違う枯山水?



調べてみると重森千青(ちさを)氏の作品。
千青氏は重森完途の御子息、
ならば「蓬莱の庭」は親子三代による合作!












これ以上稚拙な説明も何なので、
後はごゆっくり画像をお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



松尾大社では大神様が山城丹波の国を拓くため保津川を遡られる時、
急流は鯉、緩やかな流れは亀の背に乗って進まれたと伝えられ、
以来亀と鯉は神のお使いとして崇められており、

 


この池にも大きな鯉が悠々と泳いでいて、時折大きな波紋を作り出す。
白砂の島にも天気が良ければ亀の甲羅干しも見られるのだが…











 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





最初に「蓬莱の庭」の説明で、
蓬莱神仙思想に基づく庭園では鶴と亀にまつわるモノが
必ず表現されていると述べていたが、
亀は実際飼われて自在するが、それでは鶴は何処に?

残念ながらこの地上から確認する事は不可能で、
上空、ドローンなどで空撮すると池の形が鶴になっているらしい。

やはり三玲らしい仕組み!

 



今回も又失敗してしまったが、
-失敗は成功のもと- いずれ松風苑の全貌を捉えるので、
今暫くお待ちください(笑)。

 

 


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