本日も日本晴!
すでに夜はダウンジャケットを羽織っているが、
昼過ぎには23℃を超えて、
室内ではTシャツ一枚で過ごせるほど…
それでは前回の「賞花亭」からの続きを…


目の前には雪見燈籠、
そして向う岸の茶席「笑意軒」は、
桂離宮の茶亭の中では最も大きい建物だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




茅葺寄棟造の母屋に柿葺の庇をつけた農家風の茶亭で、
初代・智仁親王の御学問所として建てられたとも、
2代・智忠親王により造営されたとも云われている。










 

内部の基本構成は一の間、次の間、口の間、中の間…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次の間の左の襖絵は狩野尚信筆の水墨画。
「笑意軒」の意匠センスは目を奪うものあり、
写真の映りが悪いが右壁面の袋棚小襖!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




それを拡大してみると雲形模様?
暗くて色は判りにくいが、実際は紺色で、
説明によると横に棚引く雲が表現されているらしい。
「松琴亭」の市松模様同様に斬新な意匠である。

 

 

 

 

 

 




正面の軒下の六つの丸窓も面白い!

 

 

 

 

 

 

 





軒下に掛る扁額「笑意軒」は智忠親王の弟宮の
曼殊院良恕入道親王の筆による。
六つの丸窓は桟の組み方にそれぞれ変化をつけ、
室内より外の光の変化を楽しみ、
夜間は室内の明かりが六つの丸窓から外へ漏れ、
風情を生む事から「四季の窓」と呼ばれている。

 

 

 

 

 

 

 

 




 

中の間の襖には嘉長作の櫂形引手が、
意匠的に使われている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





そして奥の二の間の腰壁にも
注目すべき意匠が施されている。
金箔が斜めに貼られ、その上部には変わり菱形、
紺地とエンジ色のビロードの市松模様?
ビロードは下に行くほどグラデーション演出。
不思議なデザインだ!

 

 

 

 

 

 

 



 

笑意軒前庭には幅90cm、長さ19mの延段がある。
自然石だけで組まれていることから、
風雅な草書体に喩え「草の飛石」と呼ばれている。

 

 

 

 

 

 

 





2代・智忠親王が持仏堂として建てた「園林堂」には、
観音像、宮家代々の位牌などが納められていたが、
今は安置されているものは無く建物だけが残っている。

 

 

 

 

 


















桂離宮の書院群は東から古書院、中書院、楽器の間、
新御殿が雁行形に連なって並んでる。
これらの内部は残念ながら観ることは出来ない。














雁行形の形状は各書院が時代を変えて増築され、
日当たりや風通し、庭園の眺望に配慮したと思われるが、
結果として残され書院造形は最高の水準に達している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

そして古書院からせり出したこの台座がタウトに、
「泣きたいほどに美しい印象、背後に無限の精神を蔵している」
と言わしめた月見台だが、古書院から眺めた光景は
一般人には撮影不可能なので悪しからず(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



それでは最後の茶席に向かう事に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

「月波楼」は池の畔の少し小高い角に建っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




又、月を愛でるために東に向け建てられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

杮葺き、寄棟造、むくり屋根で、
土間と膳組の間は吹き放しになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

一の間と中の間の間にある襖障子の小障子引手に、
嘉長作の「機の杼」形の意匠がされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

その名の通り観月のため造られた茶亭で、
池面に映る月の影を鑑賞した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

「月波楼」は本来は月見のための茶席になるが、
一の間の窓からは四季折々の植え込み、
中の間からは池越しの「松琴亭」が見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



天井は舟底天井と呼ばれるもので、
北側妻に松花堂昭乗筆の扁額が掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





これで全ての茶席を回って来た事になるが、
最後にこの飛び石を駆け上がり、
「御輿寄」の前を通る事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



「御輿寄」は古書院の元々の玄関に当たる。
かつては来客は御幸門より入り、
御幸道を通り御輿寄から古書院御殿に上がっていた。
「真の飛石」と云われる延段…

 

 

 

 

 

 

 

 



これで帰る事になるが、
桂離宮の拝観は時間の制約と決まりがあるので、
なかなか自由に撮影するできなかった。
現在、桂離宮の有料拝観が検討されているらしいが、
個人的にはざわついた桂離宮より静かな離宮を望んでいる(笑)

 

 


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