10月はホントによく雨が降ったが、
雨のお陰で一挙に紅葉シーズンに入りそうだ。
今回は随分前に撮影しておきながら、
紹介していない桂離宮について…

桂離宮に行ったのは今年のGW期、
受付の午前9時の10分前に着いたが、
すでにこの回の当日券は30分程前に無くなり、
2回目の当日券を待つことも出来たが、
そこまで気が長くないのでこの日は諦めて帰った。
因みに一回目の当日券をもらうために、
一番早い人は7時から並んでいたそうだ。

ともかくGW期は、
観光客が大挙押し寄せているので仕方がないか?
と云って秋の紅葉シーズンはそれ以上になるし、
夏は絶対避けたい、それに冬は寒い!
結局この春先しかないと考え、GW期の2日後に決行。
開門10分前に到着。問題なく当日券を頂くことが出来た。


桂離宮は一人のドイツ人建築家によって、
日本の近代建築に再認識を促した建造物である。
ブルーノ・タウトは「鉄のモニュメント」、
「ガラスの家」が評価され、表現主義の建築家として知られていた。

ナチスドイツから亡命したタウトは3年半日本に滞在している。
桂離宮に始まり、修学院離宮、京都御所、平等院、西芳寺
春日神社、鎌倉八幡宮、日光東照宮など各地を訪れ、
その中で最も感銘を受けた桂離宮について書かれた
「日本美の再発見」(1939)は、
日本のモダニズム建築を志す人達に喚起を与え、
桂離宮を世界的に名を知らしめた著書でもある。


40年間、思い続けた空間がようやく観れる。
参観者出入り口の黒御門はもうそこまで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




昔、桂離宮を参観するのに至難の業。
確か、事前に往復はがきで宮内庁に申し込み、
宮内庁から指定の日時を割り与えられ、
それに合すしか無かった様な…
普通の一般生活者には高いハードルだったが、
すでに諦めていた矢先、
最近の改正で当日でも参観出来ると知った(笑)

 

 

 

 

 





離宮内は先頭の案内人と後尾の警護に
挟まれた形で回っていくので勝手な行動は出来ない。
それでも少しでも貴重な光景を撮りたいので、
他の人よりは自由に動き回った。
垣根の隙間から茶亭「松琴亭」を発見。

 

 

 

 

 

 

 




 

順路に戻り、先の門は御幸門。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

御幸門を入ってその先には表門があるのだが、
遠くで眺めるだけで一般の人は近づくことは出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 

来た順路を戻り、

先ほど見えていた茶亭「松琴亭」を目指す。













「外腰掛(そとこしかけ)」は待合腰掛とも呼ばれ、
田舎屋風の佇まいで「松琴亭」の待合となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「外腰掛」前の延段は「行の飛石」と呼ばれて、
3つの長方形の切石、中、小の自然石を合わせている。
又、古田織部流の壁にはみ出した主石も見られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「外腰掛」前庭は蘇鉄山になる。
蘇鉄は薩摩・島津家より献上されたものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




延段の延長線上に「二重枡形蹲踞手水鉢」。
枡形の四角の中に45度ずらして、
方形の水穴を設けている。

 

 

 

 

 

 

 

 





庭園の視界は遮られ、
南蛮・南国趣味の閉じられた露地になる。














 

自然石を合わせている事から
書道の行書体に喩え「行の飛石」と名付けられた。
作庭に小堀遠州は関わっていないとみられるが、
智仁親王、智忠親王が作庭、建築にも心血を注いでおり、
遠州の影響も随所にみられる事から遠州好みと云われている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




庭園は舟遊びを楽しむために、
水辺よりの景色も考慮されている。
「松琴亭」の南西にも舟着があるが、
庭園には5つもの舟着が設けられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

又、観月の名所であり、
月光下での景観美も考慮されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




洲浜より「松琴亭」を望む…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




庭園内には舟屋が建てられ、
屋形船が係留されていたらしい。
大小5つの島が浮かんでおり、
東南に築山も造られている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




又、様々な16もの橋が架けらており、
舟の航行を考慮し土橋5つの内4つは反橋になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





加藤清正献上と伝わる赤間石、
赤松の植栽などを含め、
一連の流れを「天橋立」に見立てている。

 

 

 

 

 

 

 

 




この時期はまだ杜若が咲いており、
その紫と「松琴亭」の茅葺屋根の黄金色が、
得も言われぬ雅な彩りを見せつけていた。

まだまだ続く桂離宮の庭園。
次回は賞花亭、笑意軒を中心に紹介。

 

 


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