昨日は、一足早い春の陽気に誘われて、
吉田の節分祭の後、その先の真如堂と金戒光明寺の
梅の様子伺いで足を延ばす事に・・・
しかし実際、両寺とも梅は僅かしかなく、
両寺とも20カット程写真に収めたが、
余りの情報の無さにボツにする事に・・・
やはり真如堂は紅葉、金戒光明寺は桜が良い模様。

その代わりでもないが、
京都御苑内にある九條池の改修工事が一月に終わり、
九條家遺構の捨翠亭が通常公開されているので、
そちらにお邪魔する事に・・・
 


 
 
 
江戸時代後期、
五摂家の一つであった九條家の屋敷がこの地にあった。
五摂家といえば、藤原氏の一族の中で最も天皇に近い、
藤原鎌足を祖として1300年間、まさに貴族中の貴族。
近衛家、九條家、鷹司家、二条家、一条家の華麗なる一族。
 
当時の大きな屋敷は今はないが、
九條池の庭園と茶席は遺構として残されている。



 
 
 
 
 
 
 
数寄屋風の書院造りの建物に入り、
玄関先の受付で百円納めると、
最初の部屋が開放感のある控えの間。
 


 
 
 
 
 
 
その隣は広間だが、
先客いたので小間の方に・・・
 


廊下の突き当りには、
茶室でお馴染みの躙戸(にじりど)が設けられている。
 








 
三畳中板の茶室には、
多く明かり窓が設けられており、
その障子は継ぎ目を故意にずらした高度な「石垣貼り」、
百日紅(サルスベリ)の曲げ木を使った柱、
この写真ではかなり見にくいが、
所々、蛍のように白くなった「蛍壁」。
漆黒の闇に浮かび上がる蛍如く、匠の技が光る…。
何とも贅沢な、まさしく貴族好みの茶席である。







一階の縁側。
蹲踞の高さも丁度良い。
 
 



 
 
 
 
 
洗練された露地庭。
蹲踞、敷石の配置など、どれもバランス良い。
 



 
 
 
 
 



四阿(あずまや)には、
すでに白梅が5分ほど咲いていた。
 
 


 
 
正面の縁側は、
四季折々の九條池の景色を楽しむ為にか、
こんなに余裕たっぷりに造られている。






 
 
こちらが10畳の広間の茶席。
 



 
 
 
 
それでは二階に上がってみよう。
 


12畳ほどの座敷には、
北、東、南に縁高欄(えんこうらん)が廻されている。
 



 
5月なれば、
二階から藤棚を眺めることも・・・
 


 
 
 
 
 
 
この一ヶ月は梅が楽しめる。




 
 
 
 
こちらの窓にも
石垣貼りの障子・・・
 


 
 
 
 
桟には「丁字七宝」の紋が
彫り込まれている・・・
 


 
 
 
 
 
 
建物から庭に降りることも・・・
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
拾翠亭の右手の百日紅は、
8月頃には濃い桃色の花が咲くとの事・・・
 




 
 
ちなみに拾翠亭の名前は、
当時、九條池に集まるカワセミ(翡翠)に由るものと・・・
池に架かる高倉橋、その先には厳島神社が見える。
 


普段極めて質素な生活をしておりますが、
この時だけは悠久の貴族の気分を味わい、いと嬉しい(笑)
 
追伸:入館は年末、年始を除く毎週木・金・土曜日。
 
 

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