…「余香苑」がある寺院は?

 

妙心寺の塔頭「退蔵院」には、

室町期の狩野派の絵師

・狩野元信の作庭と伝わる「元信の庭」と、

昭和に作庭された中根金作による

「余香苑(ヨコウエン)」がある。

 

 

 

「元信の庭」は、

寛政11年刊行『都林泉名勝図絵』には、

安土桃山期の画家

・狩野元信の作と記されており、

庭園は方丈の西に位置し、

枯池を中心とする枯山水で

築山を背景とする。

 

用いられている石は色彩豊かで、

視点を意識した構成であり

絵画的意匠とも評される。

 

 

「余香苑(ヨコウエン)」は、

昭和40年に完成した

妙心寺・退蔵院の方丈に作られた庭園。

 

「陽の庭」「陰の庭」と

名付けられた枯山水からなり、

水琴窟(スイキンクツ)のある

蹲踞(ツクバイ)の横を通って小坂を下り、

最も低い位置にある

藤棚付近から振り返ると、

流れ・池を含む庭全景が見渡せる

空間構成となっている。

 

中根金作は、

「昭和の小堀遠州」と云われた造園家で

「作庭とは、石や樹木、水と云った素材を使って、

空間に絵画的な絵を描く事である」と云った。