…伝承されている寺院は?

 

大蔵流や和泉流など

能楽の中で演じられる狂言とは別に、

民俗芸能として今日まで

伝承されてきた狂言がある。

 

その代表が京の三大念仏狂言である。

 

・壬生寺の「壬生大念仏狂言」

・引接寺(インジョウジ・千本閻魔堂)

の「ゑんま堂大念仏狂言」

清凉寺(嵯峨釈迦堂)の「嵯峨大念仏狂言」

 

の3つで、

壬生と嵯峨の狂言は面を着け、

無言で演じるのに対して、

ゑんま堂の狂言は殆どの演目に、

能楽の狂言と同様、

セリフが入ると云う違いがある。

 

 

 

 

 

 

 

この内、清

凉寺の嵯峨大念仏狂言は、

弘安2年、

円覚(エンガク)が融通念仏を

説く為に始めたのが最初とされる。

 

もっとも、

今に伝えられる様な狂言の体裁が

整うのは16世紀中頃くらいからで、

嵯峨狂言を上演する講組織も

出来た江戸期には

狂言の内容も充実したと云う。

 

今日、

嵯峨狂言の伝承曲は24番とされる。

 

その中でも『釈迦如来』は

嵯峨特有の曲とされ、

素朴で親しみの持てる

おおらかさに嵯峨狂言の特色が見られる。

 

嵯峨大念仏狂言は、

3/15の涅槃会、

4/第1日曜・第2土日、

そして円覚の命日である

10/26直前の日曜に上演される。