京都御所の北に位置する

臨済宗相国寺派・相国寺には、

幾つか化狐の逸話があり、

「宗旦狐」の名で伝わっている。

 

 

 

 

まずは、

文字通り宗旦本人に化けて

見事な点前を披露して見せたと云々、

その腕前は弟子たちを感心させるほどで、

見咎められたキツネも宗旦の所作に憧れ、

その様な点前をしてみたかったと侘びたと云う。

 

 

又、

ある年の盆のこと、

資金難から廃業寸前に

陥っていた門前の豆腐屋に対して、

宗旦狐はハスの葉を集めて、

それを売って換金し、

材料の大豆を仕入れる様にと勧めた。

 

お陰で店は立ち直り、繁盛した。

 

キツネはお礼に供された

大好物のネズミの天ぷら食べると神通力を失い、

逃げて井戸に落ちて亡くなったとか、

また自ら死期を悟って別れの茶会を開いたなど、

最期は様々に脚色される。

 

今も境内に祀られる宗旦稲荷社は、

そんな伝承に由来すると云う。