はあい!
とうとうGWも終わり、日比谷ミッドタウンから雨の帰り途中のカイルです。
イタリア人監督と英国人脚本家による、
極めてアメリカ人には作れないだろう
オスカーにもノミネートした美しい映画
「Call me by your name」邦題「君の名前で僕を呼んで」。ほぼ直訳ですが、実によくできた邦題だと思います。
感想としては、北イタリアの夏を舞台に、嫌な人が誰も出てこない、
テーマは明確ながらも
特に社会的に訴えるわけでもなく、
現代的な切り口でもなく、
恵まれた環境での、
ひたすら主演の非凡なティモシーシャラメとアーミーハマーと
北イタリアの風景とカメラワークを愛でるような、美しい映画です。
ちょっとドン引きするくらいの思春期の性的シーンもあったり、
ここまでのシーンは必要かな、とか
展開がダレる時もあるのですが、
ハリウッド映画に慣れすぎた感性に
刺激を与えてくれる映画だと思います。
ティモシーシャラメ、この演技でアカデミー主演男優賞にノミネート。納得の演技です。
華奢で綺麗な顔でピアノを弾き、
戸惑いながらアメリカから来たアーミーハマーに惹かれ、結ばれて、一夏の思い出に涙しながら別れるという、特にこれといったストーリーの起伏もないのですが、
これがアカデミー賞作品賞にノミネートしたのら、
ひとえにヨーロッパ的な美しさを追求したからでしょうか。
モーリス、眺めのいい部屋、パワーズエンド、ノーベル賞原作の日の名残り。
20年ぶりぐらいの本格的映画復帰です。
アーミーハマーもクラシカルな二枚目俳優からの脱却の登竜門的作品、そして、なんといってもティモシーシャラメ。ラストのアップの連続は凄いの一言。
そして、半ばだらける時間があるので、もし途中でこの映画は一体何が言いたいんだろう、と思ったとしても、最後の手前に出てくる父親の長ゼリフと、ラストのシャラメのアップが、この映画で作り手か伝えたかったことを全て伝えていると思います。アカデミー脚色賞を受賞したアイボリー、主演男優賞に軒並みノミネートしたシャラメ、さすがです!
それにしても、ほぼ直訳ながら、良い邦題ですね。あんまり映画の展開的に強い意味がある感じはしませんでしたが。
昔からの才能、新たな才能が、今後楽しみです。
それでは、GWが終わっても、眩しい夏の時間に目を向けてSparklingなひと時を!