■デンマークの現状
【基本姿勢から、消極的】
・デンマークでも、2015年5月時点で2014年にデンマーク入りした難民の数を超えた。
デンマークでは2015年7月に中道右派のヴェンスタが与党となっており、難民に厳しい姿勢で望んでいる。
デンマーク政府は、難民に関する予算の削減や、難民がデンマークに帰化するのに必要な年数の引き上げを考えている。
・デンマークの雇用省は「デンマークを難民にとって魅力のない国にする」としている。
2016年1月には、難民の財産を1万クローネ(約17万円)に制限し、それ以上の価値がある貴重品を接収する権限を警察に与える方針を発表した。
結婚指輪や家族の肖像など、個人的に特別な価値のあるものは除外されるとされる。没収された金品は難民の滞在費に当てるとされる。
 
→この法案可決は、欧州でも非難を呼んだ。同様の法案は、スイスやスウェーデンでも執行されている。
 またドイツにあふれた難民がデンマークに大挙することを恐れ、EU域内であるにも関わらずシェンゲン協定を見直し、
 国境検査を復活させたり、中東に「デンマークは難民に厳しい国です」という広告を打つほど。
 
・デンマークでは難民予算をすでに50%削減したうえ、11月13日には難民受け入れに「語学要件」を追加し、永住権を得るための待機期間も延ばす、
という新たな規制措置を発表した。難民認定されても家族をデンマークに呼びよせることができる時期を遅らせたりするといった措置も含まれている。
居住許可の期間が5年から2年に短縮されました。難民認定者はこれまで1年で家族を祖国から呼び寄せることができましたが、期間が3年に延長されました。
家族を呼び寄せる手続きにはさらに数年を要します。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルなどから欧州人権条約、国連の子どもの権利条約、難民条約に違反しているという強い懸念が示されています。
 

【ユニークな反難民運動】
・人口6万人のラナース町の議会は、伝統の食材である豚肉を使ったミートボールやローストポークなどの料理を、
公営の保育園、幼稚園などの昼食メニューとして提供することを定めた。
移民擁護派は、イスラム教徒に汚名を着せるため、存在しなかった問題を効果的に作り出したと批判。
人々を二分し、単にイスラム教徒を標的にするための口実だと述べる。
これに対し議案の賛同者は、豚肉のような伝統的デンマーク食を提供することは、国民としての自己認識を維持するのに必要不可欠とし、
信条や宗教に反し誰かに無理やり食べさせることを目的としたのではないと主張している。
豚肉が移民問題において欧州で展開する文化戦争の最新兵器になっていると皮肉っている。
 
■ノルウェーの現状
・永久ビザや国籍取得の申請期間を延長。家族を呼び寄せにくくしたりなどの法案。
・ホッキョクグマの方が多い北極圏の島、スヴァールバル諸島に難民を送ることを提案しているのは、ノルウェーの「緑の環境党」だ。
現在、島の人口は2,600人で3,000頭いるホッキョクグマよりも少ないため、難民を受け入れると人口を増やせる。
 
■フィンランドの現状
 
【ユニークな難民対策案】
・フィンランド政府は、難民らが押し寄せていることを受け、報酬を与えずに労働をさせるなど、難民らの管理を強化する新たな対策を明らかにした。
無報酬の労働は、難民の若者らの不満解消が目的という。
リンドストローム法相は「賃金労働である必要はない。長く無職の状態にいると、多くの不満を覚える」と説明した。
つまり、賃金を支払う必要はない、衣食住があれば問題ないと発言。
 
【わがままな難民】
・フィンランド人の「複雑な感情」とは、難民たちが離ればなれになっている家族や友人たちとの連絡ツールにWifi通信でスマホを使用したい、
という願いに対してのようだ。
確かに家族揃って移動してきた人々ばかりではないだろう。そうなると何かしらの連絡手段が必要で今の時代はやはりスマホ1台ないと困るのだろう。
昔だったら、公衆電話の前に長蛇の列をして連絡を取るだろうけど、21世紀の難民たちの通信手段はそうはいかない。
それに対して、衣食住だけでも予算や人手が必要なのに通信網までも!となると、やはり「え?」という感情を抱く人はいるようだ。
前述のElisa社やIT企業が携帯電話やスマホ、そしてWifiルーターなどを寄付しているらしいが、果たして希望者全員に行き渡るのか。
 
・9月半ばを過ぎ、スウェーデン経由で到着した人々が約1600人いるという。これは、スウェーデンよりもフィンランドの方が難民申請に時間がかからない、という理由らしい。
そのため国境付近のラップランドでは、入国監視に力を入れ始めたようだ。(その一方で前述のように寒いフィンランドを脱出し、スウェーデン南部へ移る難民もいる)
 
※以上は、各サイトの記事を引用して編集しています。引用元は失礼ながら
省略させていただきます。

■まとめ
難民の衣食住の用意、そもそもの住む場所の選定、そこは難民にとって本当に暮らしやすいのか、今後仕事をして地元に貢献できるのか。
難しい問題は山積み。
その一方で、新しい社会に、文化宗教的価値観が異なる人たちがなじめるのか、社会は受け入れられるのか。
 
実際問題、犯罪が増加していることは間違いない。人道主義と、自分の街の犯罪が増える現実をどうとらえればいいのか。
答えはなかなか出ないだろう。
 
だが、欧州のニュースが多いが、実際に世界でもっとも難民を受け入れている国は、トルコである(200万人以上)。
同じイスラムの国で、もともとの人口が多いとはいえ、相当な数。
今回はトルコの事情までは追えなかったが、世界規模で難民問題を考えるべきなのだろう。