みなさんこんにちは。前回からの続きです。

4月13日(日曜日)に開幕した「2025年大阪・関西万博」。6度目となった4月26日(土曜日)の訪問記をお送りしています。
テーマの「循環」を、実にさまざまな視点から洞察して来た「日本館」。まだ余韻が残るのですが、引き続いて入場後に当日予約の取れていた「ポーランドパビリオン」に向かいます。


再び、大屋根リングに沿って時計回りに戻ります。その右下あたりから、会場の真ん中を突っ切るように西ゲート方向へと歩を進めます。
夕暮れが迫りつつある万博会場です。

あれ?大屋根リングの上にはたくさんの人だかり。この時間ならば、このようなことはないのですが。

日本館からゆっくり歩くこと10分ちょっと。おしゃれな「ポーランドパビリオン」に到着。

ライトアップに映える、美しい外観やなあと感じるのですが、パビリオンの前に掲げられている国旗、日章旗、EU旗がいずれも半旗に下げられていることに気づきます。

会場を訪問した5日前の4月21日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が88歳で逝去されました。日本でも、大きく報じられたニュースです。以下、朝日大阪朝刊 2025(令和7)年4月22日付けより。

半旗は、そのフランシスコ教皇へ弔意を示すためのものでした。フランスパビリオンでも。

ただ、日本にも数多くの関わりを持たれていたということ。それも、広島・長崎の被爆地や拉致問題、再審無罪判決が出された袴田巌さんに対してなど。

カトリック教徒の方々には、本当に大きな拠り所の方だったことが窺えます。
また、日本にも数々の機会に直接、手を差し伸べてくださったことに感謝です。
あらためて、哀悼の意を表するところです。

さて、予約列に10分ほど並び入場します。
まずは、スタッフの方からポーランドというお国についての解説から。


代々継承される創造性遺伝子
ポーランドは創造性豊かな人々を主な資源とする国です。ポーランドの人々には「創造性遺伝子」が代々継承され、より良い未来のために行動することや、不測の世界変化に対する柔軟性を与え技術的・社会的解決策をもたらす新しい発想を生み出す力につながっているとされています。パビリオン公式サイトの解説より。
国民性として独創性が強いんです、それでいて芸術性もあります!と仰っていたのが印象に残りました。これは楽しみです。
ここでは自由にお楽しみください、とのこと。

いきなり、独創性な図画です。

さらには、いちばん目立つ場所に浮かび上がる鮮やかな花々。これはなんの花でしょうか。

スピリットプラント
パラメトリック植物をベースにしたインスタレーションで、訪問者にハーブに関連する癒しの世界を紹介します。植物は、利用可能なパラメータの選択に基づいて各訪問者が個別の植物「スピリットプラント」を構成できるようにするアルゴリズムに基づいて作成されます。
生成された画像は半透明のスクリーン上に表示され、素晴らしい視覚体験を提供するとともに舞台美術の要素を構成します。ハーブに関する古代の儀式や信仰を参考に、室内につかの間の魔法のような雰囲気をもたらします。

自分のイメージに合わせた花を、自由に創造出来るのだとのこと。これはおもしろい。


全体の構成、葉、花を選び…

いまの心境をも選択。恥ずかしながら?良識にしました。

これでわたしの花が完成。自分のつくったものだと思うと、なかなかやりがいがあります。

続いては、お国の自然を映し出した大画面。
「最もポーランドらしい風景」
人工知能の手法を使用して、訪問者をポーランドの風景の本質に近づけ、その多様性を紹介します。AI によって生成されたポーランドの風景は、訪問者の流入の影響を受けて進化し、変化します。
画面上を移動する視聴者の個人またはグループによって表示される画像の特性が決まります。詩的な一連の動きを通じて流動的に変化し、構築され、変容します。

なるほど、詩的な一連の動きから…
想像の上を行っていることに驚きますが、続いてのこちらにも、目を見張ってしまいます。

複雑な形の、なんといいましょうか。独創性あるアート作品です。


目を凝らしてみるのですが、なんと細かい造形たるや。それでいて、整然としたものです。


これはやはり、お国の伝統的な工芸品で「蜘蛛」のイメージだとのこと。祝祭の時期にみなで拵えるとありますが、そういうと開運厄除といった意味合いもあるのでしょうか。



美しい、やはり独創性を感じるアート作品が続きます。お国柄なんですね。

次室へ。これも、たいそう驚いた展示でした。
伝統的な職人技と天然素材を現代のデジタル技術と組み合わせたユニークな楽器で、優れた作曲家であり楽器奏者のイェジー・ロギエヴィチが、民族音楽や自然の音にインスピレーションを得たフリデリック・ショパンの作品のエッセンスをこの楽器から引き出します。
「Aura」は100以上の独立したモジュールで構成されており、自然素材から有機的に音を抽出するデジタル制御の「オーケストラ」とも言えます。
各「楽器」の心臓部となるのは、ジェラゾヴァ・ヴォラ地方で採取されたショパンにゆかりのある柳の断片です。人工知能技術の活用により視聴者は「オーラ」の動きに微妙な影響を与え、番組の共同制作者になることができます。
わさわさ、わさわさ〜といっせいに動き出すさま。これ、訪問した際には筆に見えたのですが楽器やったんですね。



ポーランドはドイツとウクライナにはさまれた東欧に位置する国です。
かつては農業国、だったといいますが、現在では工業技術の発展も著しい、という紹介がなされていました。なるほど。


そして、壁一面に色とりどりに咲く花々。最初の展示室で拵えた、オリジナルの花がこちらに次々と登場するようになっていました。自分がどんなのにしたのか忘れましたが(汗)

最後にはグッズショップ。


そう、ポーランドというとあのフレデリック・ショパン(1810-1849)を生んだ国。
CDやオリジナルグッズが充実していました。

独創性のあるお国は、やはりセンスが良いのでしょうか。展示もなかなか興味深いものばかりで、楽しめたポーランドでした。
今日はこんなところです。