鉄道車両に「リノベーション」の概念 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。
「新緑の野崎詣で」で英気を養った後の様子を今日はレポートしたいと思います。

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やって来たのは、「野崎観音」の最寄駅、「野崎駅」の隣、「四条畷(しじょうなわて)駅」(大阪府大東市)です。

この「四条畷駅」ですが、ちょっと興味深い話があります。
所在地は先ほど述べましたように「大阪府大東市」なのですが、「大東市」の北隣には「四條畷市」という市があります(読みも同じ「しじょうなわて」です)。

ここまでご説明すると、大阪人でもこういった疑問が出て来ます。

「四条畷駅」て言うんやから、「大東市」やなしに「四條畷市」にあるんとちゃうの?
「駅名」は「四条畷」やのに、なんで「市の名前」は「四條畷」なん?

これについては、長くなりそうなので(笑)
また後日、記事を上げて取り上げたいと思います(^^)v

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その「四条畷駅」構内です。

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お昼も過ぎた頃で、大阪市内まで20分弱で行けるところなのですがのんびりとした感じです。

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「四条畷駅」のある「学研都市線」は、この先「JR東西線」を経て「JR神戸線」、「JR宝塚線」に直通する運行形態が主になっており、基本、昼間時はこの直通列車のみの運転になっています。

さて、本日の記事に入りたいと思います。

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こちらの2枚の写真、この「学研都市線」で主力の「207系」という電車です。
製造から20年余りが経過し、「リニューアル工事」が順次なされているところです。
(最初のものが「未工事車両」、後のものが「工事完了車両」です)。

今日の記事は、この「207系リニューアル工事」について取り上げたいと思います。

さて、先日、このような記事を「ヤフーニュース」で見つけました。
「全ての車両を安全・快適に」 注目されるJR西日本の車両リノベーション
(「鉄道ライター 伊原 薫氏」 2015年4月24日 ヤフーニュースにアップ)

この「207系」を始めとして、「JR西日本」の車両は「リニューアル工事」を頻繁に行っています(「JR西日本」ではこれらを「体質改善工事」と呼称しています)。

ひとことで「リニューアル工事」と言っても、素人のわたしにはどうもピンと来ないのですが、上述した伊原氏の記事を拝読すると、その内容がよく分かりました。
その中には、どうも「リフォーム」と「リノベーション」との差異が大いにあるようです。

簡潔に言うと、「リフォーム」→「新築・新造した時の状態にする」
「リノベーション」→「新築・新造した時以上の最新の状態にする」 だそうです。

家屋では耳にしたことのある言葉なのですが、これを鉄道車両に当てはめるというのはいったいどうなるのか…
そういうことで、さっそく「新旧207系」の「様態の差異」を観察したいと思います。

以下、ほぼ同じ角度からの写真を対比させていますが、
最初のものは「体質改善工事未施工編成(未施工編成)」、
後のものは「体質改善工事施工編成(施工編成)」です。

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まずは先頭車両、上部です。
中央上にある種別は幕式で、「普通」表示になっています。

その向かって右側、運転室上には「行先」を示すLED表示があるのですが…
ご覧頂けますでしょうか?
うっすらと橙色で「西明石」という表示がかろうじて確認出来ます。

従来の車両の「幕式表示」は、最近いずこの鉄道会社でも「LED化」されつつある傾向なのですが、この形式の「未施工編成」の場合は「単色LED」なので、「日射しが強いと文字が見えにくい」という欠点があります。

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こちらは「施工編成」。
さきほどの編成とほぼ同じ時刻に撮影したものですが、「西明石」とはっきり行先表示が確認出来ます。
(「西」の字が薄くなっているのはカメラの不具合です。スイマセン)

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続いては先頭車両、下部です。
「先頭車両」として運転される際に点灯するヘッドライトと、最後部車両として運転される際に点灯する際のテールライトが目を引きます。

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「施工編成」では、そのヘッドライトとテールライトは「HIDライト」という、従来の「白熱電球」よりもコストが安く、なおかつ環境に配慮したものに取り換えられています。

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続いては、先ほども触れました「LED式」の「行先表示」、「車両側面」のものです。
「未施工編成」のものは「橙色」と「赤色」の2種類のみの表示で、やはり日射しの影響で角度によってはかなり見づらいことが多々あります。

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こちらは「施工編成」のものです。
「フルカラーLED式」のものに取り換えられ、かなり見やすくなっているのと同時に「号車番号」も掲示出来るようになっています。

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また、このように「行先下部の掲出内容」(この場合だと「Nishi-Akashi」→「東西線経由」→「Via Tozai Line」→…という表示でした)を変更することも出来るという、案内の手法としてはなかなかわかりやすいものだと思います。

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続いて車内の様子です。

この「207系」という車両は「窓が大きい」というのも特徴の一つで、従来の「国鉄型車両」とは異なり、「開放感」があります。
製造、運用開始が平成3(1991)年、その当時の車両としてはごくごく「普通の様態」だと思います。

ところが…

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こちらは「施工編成」です。
まるで「別の形式」のようですね。
何やら、あちこちでいろんなものが変わっているのは分かるのですが…

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細かく見て行きたいと思います。まずは座席周りから。

この「窓に背を向けて座るシート」のことを「ロングシート」と言うのですが、この編成ではここは「7人掛け」になってはいるものの、ラッシュ時でも「7人掛けて座っている姿」という光景は実際あまり見たことがありません。

よくある話ですが、「ああ、あの人もう少し詰めたら、立ってる人座れるのに…」と思うことがあります。それを知ってか知らずかですが…

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「施工編成」のものです。
「シート」は「バケットタイプ」のものに取り換えられ、「一人ずつ分の横幅シート」に仕切られています。
また、目を引くのは、「シート」の真ん中に設置されている「座席間仕切り」と「オレンジ色のつかまり棒」(「スタンションポール」と言います)でしょうか。

「座席間仕切り」は、その「一人ずつ分の横幅シート」の仕切りを意識してか、これを境に「3人掛け+3人掛け」になっています
(着席出来る定員は「7名」→「6名」に減少しているのですけれど…)
このような座席間仕切りは、関西では「阪急電車」の一部でしか見たことがありません。

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「オレンジ色のつかまり棒」は、言わずもがなというか、「急停車した際の防御用」ですね。その数も、また形状も「未施工編成」とは全く異なることがわかります。

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続いては「車両連結部」、通称「車端部(しゃたんぶ)」です。

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こちらには、座席を一部撤去した跡に「車椅子用スペース」が設けられています。
個人的には、そのスペース周辺にも「オレンジ色の手すり」がぐるりと設置されていることに目が行きました。

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車端部の座席周りもやはり「一人ずつ分の横幅シート」、そして「つかまり棒」が設置されています。

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ところで、「施工編成」の車内にはさきほどの「オレンジ色のつかまり棒」や、このような「たくさん設置された吊り革」が目に付きます。
この「オレンジ色系統」というのは、急停車などとっさの際に視認しやすく、反射的につかまることが出来る色彩なのだそうです。

ここまで安全に配慮した「体質改善工事」を「JR西日本」が積極的に行っているのは、いまだ記憶に新しい「JR福知山線脱線事故」(平成17年4月25日)がきっかけだと言います。

事故うんぬんについてわたしは言及するような立場ではないのですが、それを踏まえて「安全第一の企業風土」ということの「取り組みの一環」として、このような工夫がなされている、ということは言えるのではないでしょうか。
やはり、「安全第一」と言うことは口で言うのはたやすいことなのでしょうが、それをどう具現化し、実現していくか、ということは「ハード面」「ソフト面」ともに大変なことだと思います。

それを「リノベーション」という概念と融合させ、「安全性の一層の担保」と同時に「居住性の向上(乗車していても、従来の車両と比較してわたしには明らかに違うように感じました)」を図った、というのは、この車両が製造された当時(およそ4半世紀前)には到底、考え付かなかったことではないのかなと感じました。

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さて、最後にです。

この「207系」には、登場時から扉の上に「千鳥状」(扉の左右交互)にこの「車内案内表示装置」が設置されているのですが、見ていますと「号車表示」以外は従来のものと変わっていないようです。
最近は、ドア上には「LCD表示機」が設けられている車両もあり、停車案内以外にもニュースや天気予報などを流したりしているので、個人的には結構役立っているように思うのですが、これはそのままの態様なのでちょっと残念…と言ったところでしょうか。

恒例の「細見ウォッチング」、おつきあいくださりありがとうございました。
今日はこんなところです。