昔、江戸時代には「仮親」というのがいたらしいです。
子供は町の宝と考えられていたので今のように親は「お父さん」と「お母さん」
というものではなかったようです。
仮親は7人いたそうです。
「帯親」「取り上げ親」「抱き親」「拾い親」「乳付け親」「名づけ親」「守親」
そして、どの親に対しても親孝行をするように躾けられます。
そもそも躾というのは「仕付け」のことで
仕付けは裁縫で縫い目が狂わないように、仮に縫い付けておくこと。
それがしっかりしていないと、まともな着物には仕上がらない。
仮親はその仕付け係というわけです。
多くの本当の親以外の大人からそれこそ、本当の親のように
可愛がられて育ててもらうのだから、自分勝手な考えや行動
(むかつくから殺したなど)は誰も起こさないのではないでしょうか。
私は子供には人に会ったら「こんにちは」を言う、
御礼をするときは「ありがとう」を言う、
と言葉もしゃべれないときからおしえていたと思うのですが、
8歳の子も5歳の子も恥ずかしいくらい自分から言えません。
私はいつまで「こんにちは。は?」「ありがとう。でしょ」と
言うのだろう・・・と頭を悩ませることがありますが、
どうやら10歳くらいまでは言い続けたほうがよさそうです。
ある礼法家のお話では10歳頃まで、年齢ごとの礼のあり方を
教えないと我儘で放蕩な人間になり、親不孝や兄弟不仲になり
一家衰退もすると言っています。
勉強よりも礼儀なんですね。
きちんとした大人がいつも周りにいて、礼儀も多くの親から
教えてもらうことで身につき、育つということ。
江戸時代のような社会になれば
理解不能な犯罪も少なくなるのではないでしょうか。