先日、ブログで書かせていただきました「高木善之」さん著作の本
『いのち』から一部ご紹介させていただきます。
「ピンキー いってらっしゃい」という題材でした。以下内容です。
豚は体長1メートル以上になると出荷されるそうです。。出荷というのは屠殺場に送り出すことで、
両手にベニヤ板を持って豚を追い込んでいきますので殺気を感じた豚は必死に逃げようとします。
あまり豚を興奮させると体重100キロ以上ですから、本気で暴れると危険ですし、豚もかわいそうです。
指導員からは、いつも「恐怖を与えず、手早く送り出すように」と支持されますが、なかなかうまくはいかないようです。
あるとき、高木さんが大切に育てていたピンキーを送り出す日が来ました。
この豚は子供の頃から体が弱く、「豚」一倍手がかかりましたので、余計に可愛かったそうです。
高木さんはせめてこの豚は、やさしく穏やかに送り出してあげたいと心から思い、
豚小屋に入り、
「ピンキー、お出かけだよ。さあ、行こう」とやさしく声をかけました。
するとピンキーは、静かに起き上がり、おとなしく高木さんと一緒に歩いて、屠殺場送りの軽トラックまで
来ました。そこで立ち止まり、高木さんを振り返りました。
高木さんは「ピンキー、行っておいで」と呼びかけると言葉がわかったように歩き始め、トラックの荷台
に乗りました。
そして屠殺場に運ばれて行ったそうです。
見送った後、立ち尽くしている高木さんに、指導員が近づいてきて、「見ていたよ。よかったね。」と
声をかけてくれました。
高木さんは「よかった。死の恐怖を感じさせずに送り出せてよかった」と言いました。
すると指導員は「豚はそんなにバカじゃないよ。自分が死ぬことくらい、わかっているよ」と言いました。
高木さん「でも、あんなに静かに歩いていきましたよ」
指導員「この子らの親は誰だ?」
高木さん「ああ、そうか・・・・・彼らの親は私ですね・・・」
指導員「子は親を見て育つんだ。子は親を見抜いているよ。親が迷ったら子は迷うんだよ。
親がかわいそうと思えば、子も死を恐れるんだよ。
親が迷わずに『行け!』と言えば、子は迷わずに行くのさ。
親が迷わずに『死ね!』と言えば、子は迷わずに死ぬのさ。
親が迷わなければ、子は迷わない。親は迷っちゃいけないよ。
高木さん、これからの人生、迷わないようにね」
私はこの内容を読んで、ピンキーが静かに軽トラックに乗ったところあたりで目にいっぱい涙がたまってしまいました。
これは豚だから『死ね』と親が言わなければならない状況にありますが
親が迷った行動をすると子供もどうしてよいか迷い、その子の人生にも迷いが生じてしまうのでしょう。
親の態度、一喜一憂で子供に与える影響のなんて大きいことか!
私は親としてどうだろうか??と自分のことを見つめなおました。