X12です。


現在、klipschのハイラインXシリーズの最新にして最後のイヤホン。
X10の系譜でドライバーも同一です。
 
しかしながら、X10と比べると、かなり異なる部分があります。
 
まずは外見から。
写真の様に、かつてのklipsch製品にあった貧弱、もとい華奢なイメージは無くなりました。
ケーブルは他社の製品と比べても太く、丈夫そうな物に変更されています。
このケーブルは据え置き型のホームオーディオのスピーカーケーブルの被覆に近い手触りで、熱が入らないと強張る感覚です。
身につけてしばらくすると、強張りが解けて柔らかくなります。
 
以前は良く断線の原因になっていたプラグ付近のデザインも大きく変更され、これなら大丈夫かなぁ?と思えるような仕様になりました。
 
筐体付根のデザインは変わっていません。この部分には注意が未だに必要かと思います。
 
リモコンはX11iから位置が変更され、左右分岐後の左側に取り付けられています。このせいで多少左右の重量バランスが異なるため、左側ユニットが耳から外れやすいと感じる方もいるかもしれませんね。
装着後は口の近辺に位置するため、邪魔に感じる方もいるかもしれません。
 
この世代からだと記憶していますが、イヤピースが黒の半透明の物に変更されています。
サイズやカタチに変更はないのでしょうが、質感が変化しており、よりしっかりと耳穴にフィットするようになっています。
 
相変わらず軽くて小さい筐体は、他では味わえない装着感で手放せません。
 

さて、そのサウンドは、X11から更に低音側の主張が強くなっています。
その低音は弾むような弾力性のある物で、だらしなく広がらないので他の帯域の邪魔はしない感じです。
低音の量に引っ張られて高音側は過去2製品に比べると丸くなったように思います。
決して抜けが悪くなったということではなく、全体的に現代的なサウンドに変化していると感じます。
 
このシリーズ全体に言える事ですが、定位感が非常に良く、あくまで自分を中心に音が広がっていくイメージで、とても聴きやすく、どんなプレイヤーにも合わせやすいですね。
 
但し、良く言われることですが、クリプシュのイヤホンはインピーダンスが高いので、割と出力が高いプレイヤーを使用しないとモコモコとこもったようなサウンドに聞こえる場合があります。
合わせて音量も少し取りにくい感じで、他の製品での音量プラス5目盛くらい上げる必要があります。出力の低いプレイヤーではもっと上げる必要がある場合も。
 
このこもりに関しても、X12では相当改善されていますので、過去の製品より使いやすくなっていると言えるかもしれません。
 
個人的にX12と相性が良いと思うプレイヤーはAK120です。お互いにはっきりとしたサウンドを出すモデル同士ですが、相乗効果でとても楽しいサウンドを聴かせてくれます。
 
生産が終わってしばらく経ちますが、まだ市場での流通量は確保されており、底値の時よりは多少値は張りますが、まともな値段で入手可能です。
どこかで出会ったなら、一度手に取って聞いていただきたいモデルです。