グランビートです。
国産プレイヤーにはあまり良い印象が無く、パイオニアのDAPでかなりへこんだ印象が強いのですが、やっと値段が手の届く範囲になってきたので入手してみました。
結果から言うと、これは中々良いですね。
ビルドクオリティも申し分ないですし、レギュラー版のandroidはバージョンこそ古いですが、プレイヤーとして見ると痒いところに手が届く感覚で、非常に便利です。
音楽ストリーミングサービスをスマホと同様、特殊な手順なしで使えるのは、聴く音楽の垣根が取り払われた感じがして「コレだ!」と言う感覚。
サウンドクオリティが多少でも犠牲になる様であれば考えものですが、他のガチDAPと比べても遜色はありません。
多少デカくて重量が嵩みますが、これもプレイヤーとしてみれば、異常な程のモノではないです。
要するに、スマホとして見るか、プレイヤーとして見るかによってユーザーの感じ方が全く異なるのではないかと感じますね。
スマホで出来ることが全て不満のないレベルでこなせるDAPだとしてみれば、非常に満足度が高いです。
※性能やら機能やらはメーカー様のホームページまたは沢山ある他のレビューでご確認ください。
こちらではあくまでDAPとして扱います。
さて、そのサウンドは、広々としたサウンドステージと癖のないオンキョーらしい味付けです。
筆者は長らくホームオーディオもオンキョーの商品で揃えていましたが、目指す方向というか、根ざすモノに大きな違いはない様に思います。
(DACがパイオニアが得意としているESS製であることや、そのパイオニア製DAPの派生機種であることなどは置いておいて)
大きな特徴は、その広々としたサウンドステージ。
例えば音が近くで鳴る性格のイヤホンを使用した場合でも、ある意味強引にサウンドステージを広げてしまうかの様なイメージです。
またその広がり方も、ただ無闇に広げて遠い音がどこかへ消え行ってしまう様なイメージでは無く、言うなれば扇型のコンサートホールの真ん中で聴いている様なイメージ。
それぞれの楽器がふさわしい配置でキチンと鳴っている感覚です。
この感覚は数あるDAPの中でもあまり聞いたことのないイメージなので、沢山のDAPを聴きまくった玄人にこそ一度聞いていただきたいサウンドですね。
他方、イヤホンとの組み合わせと言う観点で見ると、向き不向きがハッキリ分かれるタイプです。
前述の様に結構強引にサウンドステージを広げてくるので、元々広々としたサウンドのイヤホンを組み合わせると、全ての音が遠くでなっている様なイメージになります。
また、インピーダンスにもかなり敏感で、鳴らしやすいイヤホンでは迫力過多になりがちで、逆に鳴らしにくいモノでは印象に欠けるサウンドになりがちです。
BA型とダイナミック型を比べた場合では、どちらかと言うとダイナミック型のものの方が合うかと思います。
プレイヤーとしては結構サラッとしたイメージのサウンドなので、ある程度キャラクターの立ったイヤホンとの組み合わせが合っていると思いますね。
私のところでは、finalのE3000やJVCのFX750なんかが気持ちよく聞ける組み合わせでした。
まとめとしては、数あるDAPの中でも、空間イメージの広さと言う珍しい特徴がある機種なので、他にもいくつかDAPを所有している様な方には使い分けがしっかりできて良いかと思います。
また、チョットお高めのダイナミック型をこよなく愛しているような方にも結構ツボにハマるサウンドじゃないかと思います。
何処にせよ、繋ぐモノによってモヤッとなんか違う、と言う様な感じではなく、聞いた瞬間こりゃダメだ、なのかこれしかない!なのかとてもハッキリ分かるので、聞いていてとても楽しめます。
私もあまり期待せずに入手した割には、気がつけばこればっかり聞いています。
バランス、アンバランス両方使用可能ですし、スマホなのでOSが古いとは言えツブシも効きます。
そういう意味で最強のサブ機と言えるかもしれませんね。