MX4です。

   

3BA+1DDのハイブリット中華イヤホンですね。

過去中華イヤホンは相当数入手してきましたが、Kinboofiブランドのイヤホンは持っていませんでした。

yinyooやNICEHCKに比べると、ちょっとマイナーというか、一歩引いた位置にいるメーカーのように感じていますが、いかがでしょうか?

そんな、未入手のメーカーに興味があったのと、なんといってもこの見た目のインパクトによって思わず購入。

実物はもっとクリアで中身が透ける感じです。

かなり綺麗な仕上がりでビルドクオリティーに不満は感じませんね。

金色のアクセントも嫌味にならない程度ですし、安っぽさを感じるような仕上げでもありません。

ハイブリット型って、こういう感じにドライバー配置するのか、とちょっと違う目線で見てみたり。

 

また、本品の特徴として、サウンド調整用のディップスイッチが装備されていたりもします。

こちらについては正直な話、あまり期待はしていませんでしたし、実際初めにちょこっといじって元の標準状態に戻しました。

なのでこちらの機能については割愛させていただきます。

 

使い勝手の面では、写真で見るとかなり大きめな筐体であるイメージを持つかもしれませんが、割と小ぶりな部類で、耳への収まり具合は全く問題ありません。

重量も抑えられており、耳掛けスタイルで装着する分には走ったりしてもずれてくるようなことはありません。

筐体にはダイナミックドライバー用の大きめのベント穴が開いていますが、音漏れはほとんどないようです。

また、遮音性についても、特に気になるようなレベルではないですね。

ここは穴が開いている分、完璧な遮音とはいきませんが。

 

さて、サウンド面のレビューに移りましょう。

最初に結論を述べると、本機のサウンド傾向は完全な中華ドンシャリサウンドです。

ただし、中華イヤホンが出始めのころのような、低音も高音も天井知らずの無調整キンキンドンドンな感じではなく、きちんと制御したうえで派手さを演出しているといった感じです。

言い方を変えると元気なサウンドとでもいえるでしょうか。

私の個人的な感想として、このサウンドバランスはJVCのFX850に近いなと思います。

もっとも、こちらは中高音域用にBAドライバを使用しているため、煌めき感や解像度はこちらが上手、艶感ではFX850が上手というような差はあります。

かなり押し出しの強いサウンドなので、好き嫌いは分かれるかもしれませんね。

 

本機は多ドラ機ということもあり、駆動に少しパワーが必要です。

スマホなどでは少し駆動力不足で鳴らしきれない印象があります。

できれば出力に余裕のある環境で鳴らしてあげたほうが、より本領が発揮できるかもしれません。

 

ここからはもう少し掘り下げてみましょう。

そのサウンドは、良くも悪くも中音域用としているknowlesのBAドライバーに依存しています。

高級機などにも使用される定評のあるドライバーなので、ここを基準に仕上げていった感じですかね。

もともとお安めの値段ではないので当然といえばそうですが、このドライバーによるサウンドの高級感(まとまり感)が全体のイメージを方向付けているように思います。

ここに、中華サウンドの真骨頂ともいえるド派手な高音域追加用として中華BAドライバーをプラス、ここにはひと手間加えて1基だと制御が難しいキンキン感を抑えるため2基構成としています。

低音側にはBAでは難しい沈み込み感を狙ったダイナミックドライバーが追加されています。

双方とも、中音域ドライバーのサウンドを殺さず、自然なバランスに調整されている点はかなり高評価だと思います。

また、全体的な印象として、各帯域の音をはっきりと鳴らすタイプで、あいまいな部分がないだけにサウンドステージは狭く感じます。

サウンド調整スイッチはおそらくクロスオーバーのON,OFF切り替えで、高温用BAと低音用DDの回路のみに作用すると思われ、両方OFFにすると昔の中華機のように無秩序なサウンドになります。(せっかくの中音域ドライバーが台無し)

全体的に響きや艶を得意とするタイプではないので、クラシックなどの生楽器主体な曲よりもポップスなどのキレのある曲のほうが向いているかなと思います。

 

最後に、ありかなしかでいえば、2万円以下で入手できれば十分納得できるサウンドかなと思います。

見た目が派手なので使い手を選ぶかもしれませんが、そこも含め、趣味のコレクションとしては入手しておくべきかなと思います。