AZLA ORTAのlightningコネクターが付いたモデルです。
lightning接続&リケーブル可に興味があって購入してみました。
AZLAのモデルとしては入門機ですが、lightning接続のモデルの中では高額な部類に入るモデルですね。
外観に関して言えば、AZLAのモデル全てに言えますが、メッキとクリアパーツを嫌味でない範囲で組み合わせており、キラキラジュエリー感とでも言いましょうか、どちらかというと女性的な見た目になっています。
ビルドクオリティには申し分なく、ともすればチープ感が出てしまうメッキパーツを使いながらも、値段相応な質感はある様に思います。
まぁ、ぱっと見はそんな感じですが、私に言わせると、クリアパーツで中がガチ見えタービン型ボディはメカ好きには心に訴えかけるものがあると言うのが正直な感想。
男子諸君には好みの問題ですね。
さて、そんな見た目の本機は、アルミニウム素材の振動板を持つ、ダイナミックドライバー一発という構成です。
多ドラ機が多いAZLAとしては、まさに入門機と言った構成ですね。
そのサウンドは、金属素材の振動板を採用したドライバーの御多分に洩れず、エッジの効いたソリッドなサウンドです。
経験上、金属振動板は自身の重量が他の素材に対して重いため、制振効果が高く、ソリッドなサウンドになりがち。
濃密な響きや広がりを得意とする木材やパルプ素材の振動板とは対極となる特性です。
AZLAのイヤホンは皆、低音域を重視した音設計ですが、本機はとても歯切れの良い低音を鳴らします。
金属振動板で低音重視の設計にすると、高音側の響きや抜けがどうしても犠牲になる事が多い様に思いますが、本機もこの特性となり、若干暗めの全体バランスになっています。
解像度感は悪くないので、音数の多いロックやポップス向けのセッティングですね。
クラシック系だと、ピアノや金管楽器のトゲが丸くなり、万人向けに聴きやすくなりますが、前述の様に響きや広がりが足りないため、あまりうっとり聴き入る様なサウンドになりません。
この辺は聞く人や好みによる訳ですが、このイヤホンは響きとか広がりに関しては特殊と言えるかもしれませんね。
個人的な感想としては、サウンドの中に頭を突っ込んで聞いている様な、広いホールではなくかなり狭めのライブハウスやレコーディングスタジオの中で聴いている様なイメージです。
そう言った意味では他とは違うサウンドを求めている方にベストマッチするかもしれませんね。
最後に余談ですが、本機は時間はあまりかかりませんが、エージングは必須です。
箱出し直後は正直言って聴くに耐えないサウンドです。
10時間くらいでまともなバランスになりますが、新品で購入する方は初聴きで諦めないおおらかな対応が必要です。
ここまではlightningコネクタでiPhoneに接続した場合のレビューとなります。
別途シルバーコートの一般的な接続のケーブルも購入したため、そちらでDAPに繋げた場合のサウンドは別途レビューしようと思います。
因みに、lightning接続の他のイヤホンと比較した場合、明かにレベルの差を感じられます。
その他lightning接続のイヤホンが、ある意味appleクオリティと言うか、appleが規定したレベルを超えられていないというか、そもそもの目指すベクトルが違う様に感じていましたが、この機種は純粋に規定ラインを超えて普通に良いサウンドを作ってやろうという作り手側の意思を感じますし、実際一般的なミニプラグ接続の高音質イヤホンに近いサウンドになっていると思います。
この辺の感想も、リケーブル時のレビューで書けるといいですね。