ちょっと息抜きに。

yinyoo H3です。

美しい見た目と3BA搭載、おまけに8芯シルバーメッキケーブル付きで1.5k未満の価格と、ハイスペック高コスパな昨年末あたりに話題になった中華モノですね。

お安く入手するチャンスがあったので購入。

今まで購入してきた中華イヤホンは、総じてドンシャリ傾向が強く、ちょいと食傷気味だったのですが、このモデルは他の中華モデルとは一線を画す出来栄えでした。

まず目に付くのは、その美しい見た目では無いでしょうか。

とても透明度が高いアクリル系の素材で構築された筐体は、一体成型で継ぎ目などは存在しません。
どのように作っているのかその製作方法にも興味深々ですが、とりあえず故障=即交換な、後先は一切考慮していないデザインです。
ビルドクオリティは中華と聞いて想像するモノを斜め上方に上回る出来栄え。
ただし、装着感は割と人によって違うのでは無いかしら?と思います。
私個人としては、その素材や作りのせいか若干硬くて重い異物が耳にはまってる感が強く、qdc Neptuneの様なもうコレで良いじゃん、と思うような感銘を受けるレベルではありませんでした。

また、ステムが短い為に万人にフィットしやすい替わりにイヤピースの選別が非常に大事になってくる感触です。
私はFinalのBタイプSMサイズと言う、普段ならまず選択しないモノが一番フィットしました。
ステムは金属製で、先端に向かい細くなり、カリが複数付いたものになっているので、大概のイヤピースは装着できると思います。
装着感は元より、サウンドにも大きく影響するので、是非じっくり耳との合わせ込みを行って欲しいですね。

8芯ケーブルは触り心地や見た目にあまり高級感は感じませんが、非常に柔らかく、取り回しは良好です。
また、結構太さがあるので、華奢な印象は無く、ラフに扱っても平気そうな安心感はあります。
両端のプラグ部分は金属製でしっかりとしたものを採用しており、質感について不満を覚えることはないと思います。

さて、そのサウンドは、意外にもバランスタイプのカマボコ型でした。
透明感や精細感と広いサウンドステージを合わせ持ち、BA搭載機種の特徴を素直に出した音作りかと思いました。
搭載されているBAドライバーは、高中低音それぞれ別のドライバーを用いた3チャンネル構成。
(内訳は高音域bellsing 30095BA、フルレンジknowles ED29689、低音域Knowles CI22995の組み合わせ)
多チャンネル化した構成の割に音の繋がりは自然で、不自然なクロスオーバーは一切ありませんでした。
(私が聞いた限りED29689がフルレンジでメインに鳴っていてその他二つは補助的な役割かというチューニング)
どちらかといえば中音域をメインに鳴らすタイプで、低音は全体のバランスとしては少ないと感じるかもしれません。深いところまで鳴らしますが、厚みが少ない感じです。
高音域も刺さりを感じる手前までよく出ています。
(エージングが進むとDAPによって高音が刺さると感じる様になるかもしれません。私の環境では、apple、Astell&kern製品では若干刺さり気味に聞こえ、fiio x3 2nd でちょうど良いバランスに感じました)
細かいところを言えば、突き抜ける様な爽快感やうっとりする様なツヤ感が今一歩足りず、没個性なサウンドになってしまっているのが残念な部分ですかね。
ただこの価格の製品としては全く文句のつけようが無いレベルだと思います。

また、このモデルは感度が非常に高く、一般的なイヤホンを使用する場合と比べ、半分くらいのボリュームでちょうど良い音量になるイメージです。
初めて使用する時は要注意ですね。

まとめとしては、見た目やサウンドを含め非常にハイコストパフォーマンスで、どこにも不満を感じないレベルに仕上がった良イヤホンですが、全てが上手くまとまりすぎて没個性となっており、正直期待値が高いと飽きやすいモデルかなと思います。
見た目の美しさなど、サウンド以外の部分に強い魅力を感じている方や、普段から音楽をBGM的に聞く方などにはオススメできる商品かなと思います。