犠牲は時の主役を選んだ。我らは招かれざるミスキャスト!
そう、前途は多難だった。
時の頃2月の終わり。まだ吹き荒ぶ寒風のなか、我々は三浦半島は城ヶ島に集結した。それは初の試みだった。
でも嘘ついた、集結したのはいつものアジトだった。天候は雨!気温は一桁、
だが敢行する!
いざ、城ヶ島へ!
車を二台備えた。抜群の性能を誇る改造軽自動車のドライバーに渡辺一人、整備工やローリングで鍛えたテクニックが最高のパイロット性能をお披露目する。
赤いスバルのラリーカーに宇野正玖、車は沼にハマっても自力で抜け出せる性能を誇り、ドライバーもまた泥沼から脱却する手腕に定評がある。
二人ともゴールド免許!!
渡辺カーの乗組員に平良和義(普通免許非所持)、丸山翔(首都高なら任せろ)、黒田哲平(大統領でも殴ってやるぜ!)。
宇野カーの乗組員に山下諒(長崎ではドライバー、東京では迷子)、長井明日美(後部座席でのろけ話)、山口晃洋(不眠で参加)、川添美和(宮崎の法定速度タイトル保持者)。
いざ、発進、したいが丸山が遅参!若かりし日の伊達政宗が如く、若かりし日の徳川秀忠が如く!あと一時間遅ければ首が飛んでいたところぞ。だがいきり立つのは
待て!
加減しろ!!
前髪だぞ!!!
撮影機材やセットを持ち込むため、人員は手際良く車に荷物を運び込んだ。丸山を待ちながら。
そして到着した元服前の前髪野郎を車に詰め込んで1時間遅れのスタート。初っ端から暗雲が立ち込めている。外は雨。傘はある。
そして首都高が渋滞。予定していた到着時間を渋滞の最中で迎える。
だがこれは迷宮ラビリンスの序曲でしかなかった。ルートの確認をおざなりにしてしまったことが問題だったのだ。
宇野 俺はてっきり、第三京浜から行くとおもってたんだ…。
渡辺 湾岸線から羽田を廻って横横線に乗ろう。
この両者の思い違いが、さらに時間のコストを底上げした。しかも前髪の丸山が間違えたルートを指示したという噂で欺瞞が漂う。我々は孤軍奮闘、湾岸線にいた。
そう、ディズニーランドに行こうとしていた!!
島は島でもランドじゃねえ。来た道を半ば引き返し、大黒ふ頭で休憩をとった。
我々には時間が無い!だからここは、
敢えてサービスエリアで遊ぶぞ!
丸山 おのれ、食べたいものが何もない!
川添 ああ!中華料理を食べればよかった…。
山口 二階に面白い椅子があるよ。
長井 おみやげ、おみやげ!
宇野 お菓子、お菓子!
我々は15分騒ぎ、大黒ふ頭を後にする。そしてその後のルートは思いのほか順調で、ハイスピードで迫り過ぎ行くアスファルトが不純な何かを吹き飛ばし、今、渚になろうという頃、我々は不思議の国に迷い込んだような感覚を憶えた。
我々は、不思議の国のアリスを演る。だからです。
とうとう城ヶ島到着。残された時間は2時間程だった。しかし雨雲は我々に恐れをなし、冷たい雨が通り過ぎた。
ここまではプレリュードだ。




