2月17日大阪公演:イオン化粧品 シアターBRAVA!へ行ってきました。
昨年も東京公演を観てきましたがやはり良いですねぇ。
今回の2/2は再再演 毎回少しずつ変わっていましたが解釈は再再演になるにつれてわかりやすかった。
初体験の方も理解しやすかったかと思います。
一人のアーティストが主演、作詞・作曲・脚本まで手がけ、小劇場空間で一ヶ月のロングランを行うという「夜会」は、世界に例のない音楽舞台である。
“みゆきの歌に手が届く”というキャッチフレーズで始まったのが89年。当初は、すでに世の中に出ている歌を違う環境や文脈の中に置くことで新しい光を当てるという趣旨だったものが、回を重ねるごとに進化。
オリジナルの脚本、それに沿った新曲主体と変わって行き、95年からは、両者ともに書き下ろしとなった。
今年の「夜会」は「VOL.17 2/2」。95年と97年に上演され、」客席が若い女性のすすり泣きで包まれた名作である。その後、彼女自身の手による小説、03年には瀬戸朝香で映画にもなっている。
テーマは多重人格。自分の中に“もう一人の自分”がいる女性・莉花が主人公だ。
“もう一人の自分”である“莉花”は、ことある毎に「あなたを幸せにするわけにはゆかない」と莉花を責め続ける。
一人の人間の中でせめぎ合う“愛と憎しみ”“正義と呵責”の対立が救済されることはあるのだろうか。
驚かされたのは、三度目の上演ではありつつ曲や主人公の設定が全面的に手を加えられていたことだ。
新曲も多数あり、以前からある曲にも新しい詞が加わっている。
何よりも違うのは、過去の上演には存在しなかった“莉花”が人物として登場していることだ。
“もう一人の自分”が具体化したことにより莉花の分裂や葛藤がより劇的になった。
舞台はベトナム。失意の旅先で帰る場所を失い、国を捨てる決意をした莉花は、探しに来た恋人・圭の口から出生の秘密を知る。“莉花”も交える中で死者と生存者が対面し真実が明らかになってゆく。
そして、更に、その後に過去の上演にはなかった「夜会」ならではのフィナーレが付け加えられていた。
それは「ずっと何か遣り残していた気がしていた。このままじゃ終われない、これをやらないと成仏できないみたいな感じだった」という中島みゆきの言葉を裏付けると同時に、再演という概念を大きく超えた改訂完結編という印象を決定的にした。
もう一つ驚かされたのは、リハーサルにもかかわらず出演者の目に浮かんでいた涙だ。まだ本番まで三週間で、すでに迫真の演技が展開されていたのだ。本番でどうなるか、期待は膨らむばかりだった。
11月16日に出た38枚目のオリジナルアルバム「荒野より」の中には「2/2」で新たに加わった新曲も納められている。CDの曲にまつわるもう一つの背景も謎解きがされるだろう。
待望の再演は、予想を遥かに凌いでいた。音楽であり演劇であり物語である。これこそが「夜会」であり表現者・中島みゆきなのだと思う。