ブログネタ：死刑について考えてみる
参加中興味はあってもなぜこんな難しいネタにしてしまったのか…
まあとりあえず書いてみます。
結論から言いますと死刑制度には反対です。
この問題を考えるにあたり無視できないのは、被害者の応報感情だと思います。
確かに私刑を禁止し、国家が代わりに罰する以上、被害者の応報感情は無視できません。
そして、身内を殺された多くの被害者遺族が死刑を望んでるのも事実でしょう。
僕だって同じ立場に立たされたら、加害者を殺してやりたいと思うでしょうね。
でも現実に殺人を犯した加害者のうち死刑になる者は、その数パーセントにすぎません。
現状は被害者の応報感情に現状が答えてるとは言えないでしょう。
死刑を廃止すると私刑が増えるとの意見もありますが、それなら現状でも私刑が横行してなければおかしいんじゃないでしょうか。
また、被害者遺族でも死刑を望まない方もいらっしゃいます。じゃあその場合は死刑は選択しないんでしょうか？
それもおかしいですよね。
僕は、被害者の応報感情が死刑制度の存置の理由にはならないように思います。ほとんどの遺族の応報感情に現状の死刑制度は答えていないわけですから。
もちろん殺人を犯した者はすべて死刑にするとでも主張するのなら別でしょうけど、そんなの無茶苦茶だと思います。
また死刑が犯罪抑止力になってるという考えもありますが、これについてははっきりしません。様々な論文がありますが十分に説得力のあるものはないようです。
犯罪抑止力は賛成・反対どちらの根拠にもなり得ないと思います。
僕自身は、死刑制度を存置することに十分な理由を見いだせない。
そして、何より「国家が人を殺す」という行為は絶対すべきではありません。
人命を奪うことは最大の人権侵害だと思います。何があっても国家がそれをすべきではない…。
それに死刑執行されてしまったら、もし冤罪だった場合に本当に取り返しがつかなくなってしまいます。
とするならば、死刑制度には反対せざるを得ません。
もっとも現状の刑罰が十分だとは思いません。もっと重くすべきです。
でも、加害者には生きて罪を償ってほしい。
自分の一生をかけて、自分の犯した罪と向き合い、悔悟・反省し、被害者やその遺族に謝罪し続けて欲しいと思います。
今、少なくとも先進国で死刑制度が実質的に存在するのはアメリカ（一部州は廃止）と日本だけで、ヨーロッパ諸国などもすべて廃止しています。
世界全体で見ても廃止した国が多数のはずです。
世界がこのような潮流にあるのは、死刑存置に十分な理由がなく、国家が人命を奪うことは絶対にあってはならないという考え方の表れではないでしょうか。
最後に、死刑制度の存置・廃止に関係なく、犯罪被害者へのケアは本当に遅れていると思います。
加害者が死刑になったからといって、被害者遺族が救われるわけではありません。
死刑の是非は別にして、被害者・遺族へのケアは充実させなければなりません。
あと、被害者遺族へのマスコミの取材・報道…
そっとしておいて欲しいという遺族は多いと思うのですが、あまりに節度のない報道が多すぎると思う。
遺族の味方のような顔しながら、一番遺族の感情を踏みにじってるのは彼らじゃないかと思うことがよくあります。